給与業務時間を67%削減!
【社協の事例】給与計算システム・Web明細・アウトソーシングで業務効率化
公開日: 2026.06.01
HCSNewsLetter 第260号
取材協力
総務企画課 主事 前田 悠登 様
社会福祉法人富山県社会福祉協議会様について
[所在地]
富山県富山市安住町5番21号
[事業概要]
地域福祉の推進を担う社会福祉法人。
県内市町村の社会福祉協議会と連携しながら、住民の生活支援や地域づくりに関する事業を展開。相談支援や就労支援、研修・イベントの実施などを通じて、地域福祉の向上に取り組む。
給与業務の効率化と負担軽減を実現した、社会福祉法人富山県社会福祉協議会様の事例をご紹介します。複数の雇用形態への対応やExcelによる手作業の給与計算、さらに紙の給与明細の発行・配付・ 保管といった業務が大きな負担となっていました。こうした課題を解決すべく、『Oens人事・給与システム』と『かんたんぺパレス!』を導入。給与業務全体の効率化とペーパーレス化(給与明細の電子化)を実現し、安定した運用体制の構築につながった事例をご紹介します。
- 課題
- (1)多様な雇用形態に適した給与業務全体の効率化
(2)遡及計算を含む複雑な給与計算業務の負担軽減
(3)アナログ運用が残る給与明細業務の見直し
- 効果
- (1)給与業務時間67%削減!「3時間 → 1時間」に
(2)給与計算の不安解消、精度向上を実現 !
(3)給与明細のペーパーレス化で、印刷 / 配付作業をゼロに
目次
給与業務の負担軽減とペーパーレス化を実現するための「3つの課題」

総務企画課 主事 前田 悠登 様
-検討のきっかけを教えてください-
最大のきっかけは、給与担当職員の業務負担軽減です。毎月の給与計算にかかる作業量が多く、担当職員の負荷が大きい状況が続いていました。そのため、手作業の多い旧給与計算システムの運用を見直すことに。給与業務に適した運用体制の構築を目指して、給与システムとアウトソーシング型サービスの導入を視野にサービスを比較検討しました。
社会福祉協議会(以下、社協)では、複数の雇用形態と支給日が混在しており、給与計算が複雑になりやすい環境にあります。そのため、毎月の運用負荷が高く、手作業や確認作業が担当職員の大きな負担に。さらに、給与明細の発行についても、紙の印刷・仕分け・配付という運用が毎月非常に手間で、非効率な運用が課題でした。
また、2016年のマイナンバー制度施行により、給与に紐づく個人情報の管理要件が厳格化。マイナンバーを扱うPCの施錠管理や、保管場所・取扱者の限定などが求められ、従来の自社運用に対する懸念も高まりました。
こうした業務負担と業務特性、制度面での変化を踏まえ、自社のみでの運用は限界と判断し、給与業務の完全アウトソーシングの検討を進めました。
-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:多様な雇用形態に適した給与業務全体の効率化
複数の雇用形態や給与体系が混在し、さらに職員ごとに適用される給与規定や計算ルールも異なることから、給与計算業務は複雑化していました。個別対応が多く、標準的な給与計算システムでは対応が難しい運用となっていました。
従来は複数の雇用形態や給与体系に標準的なシステムでは対応しきれないことから、Excelを用いた手作業による給与計算を行っていました。時間外手当の計算や各種手当の反映も含めて一つひとつ対応する必要があり、毎月の給与業務は複雑で手間のかかる運用でした。
当社協は75名の職員が在籍しており、「正規・非正規職員」といった区分に加え、「嘱託職員・アルバイト・派遣職員」といった複数の雇用形態が混在しています。また、正規職員の中にも県からの出向職員や県OBが含まれるなど、職員ごとに適用される給与規定や計算ルールが異なり、月ごとに処理内容が変わるケースも多くありました。
さらに、給与は月給(毎月15日)と日給(毎月10日)で支給日が分かれており、2名体制で並行して処理を実施。支給日までの期間が短く、限られた日数の中で作業が集中するため、時間に追われる場面も多々ありました。
給与計算1回あたり3時間以上を要することもあり、通常業務と並行して対応するには大きな負担に。さらに、賞与や遡及差額 *¹の対応時にはより複雑な計算が求められ、繁忙期には業務量が一気に増加し、給与業務全体の負荷が高まっていました。
※1:給与改定が過去にさかのぼって適用される際に、
それまでの支給額との差額を後からまとめて調整・支給する仕組み。
課題2:遡及計算を含む複雑な給与計算業務の負担軽減
給与計算業務において、正確性が強く求められることによる確認作業の負担と精神的なプレッシャーも大きな課題となっていました。
給与計算では、時間外の入力や単価の掛け合わせ、端数処理など細かな作業が多く、わずかな違いが結果に影響するため、常に高い正確性が求められます。そのため、Excelを用いた手作業での計算を行っていたため、毎月の業務においても一つひとつの処理を慎重に進める必要がありました。
75名分の給与を扱う中で、1件の差異が職員への給与支給額に大きく影響する可能性があることから、確認作業には十分な時間をかけて対応していました。決裁時には複数名でのチェック体制を取っているものの、最終的な精度は給与担当者が担うため、常に緊張感を伴う業務となっていました。
特に、俸給改定に伴う遡及差額の計算では、通常以上に複雑な処理が求められます。差額を正確に算出するためには細かな条件を考慮する必要があり、より慎重な対応が不可欠。確認工程も増え、精神的な負担が一層大きくなる場面もあり、効率化が図りにくい運用となっていました。
また、給与計算の内容は複雑であるため、給与担当職員の異動や交代時には業務の引き継ぎに手間がかかる点も課題に。計算方法や処理の考え方を都度共有する必要があり、担当者が変わるたびに負担が発生していました。
課題3:アナログ運用が残る給与明細業務の見直し
給与計算業務の見直しを進めた後も、給与明細の発行業務には紙運用が残っており、数年の運用を経て新たな課題として顕在化しました。給与明細は、75名分を毎月紙で発行しており、仕分け、配布、保管作業を給与担当職員が担う運用でした。すべて手作業で対応する必要があり、他業務と並行して対応する中で、担当職員の大きな負担となっていました。
専用用紙にドットプリンターで給与明細を印刷し、1枚ずつ切り離してまとめる作業が発生。破損しないよう注意しながら扱う必要があり、単純作業でありながら細かな気遣いが求められる業務でした。さらに、仕分け後は階が分かれているフロア間を行ったり来たりしながら、職員一人ひとりに手渡しで配付する必要があり、この作業にも多くの時間と労力を要していました。
また、複数の雇用形態が存在し、勤務形態や出勤頻度も様々であることから、全職員へ一斉に手渡しで配付することが難しく、個別対応が発生しやすい状況に。不在の職員に対しては一時保管をしたり、金庫で管理したりといった対応も必要でした。配付業務に付随するこうした対応も含め、作業負担を押し上げる要因となっていました。
「3つの課題」を解決する『Oens人事・給与システム / かんたんぺパレス!(給与明細Web化)』
-採用の決め手を教えてください-
決め手①: 社協特有の複雑な運用に対応し、給与業務全体の効率化を実現
社協特有の複雑な給与体系に対応できる給与計算システムと、給与業務全体をアウトソーシングできる点です。従来どおり自社で給与業務を継続する運用と、アウトソーシングを活用する運用の両面で比較検討を行いました。その中で、自社運用では一部の作業が残る前提となる一方、アウトソーシングであれば給与計算業務に加え、給与システムへの勤怠情報入力などを含めた一連の作業をすべて委託できることから、将来的な運用面での安心感や、業務の効率化につながると判断。複数の雇用形態や遡及計算といった社協特有の複雑な業務にも柔軟に対応できる点も重要な選定ポイントでした。
決め手②: セキュリティ面でも安心
職員の給与情報はHCSさんの剱データをセンター側で管理してもらえるので、マイナンバー制度の施行以降に求められる厳格な個人情報管理にも対応可能に。セキュリティ面での安心感も導入の後押しとなりました。
決め手③: HCSに豊富な給与業務の経験があり、相談先として信頼
HCSさんは給与業務の経験が豊富なので、給与業務のことを直接相談できるサポート体制が整っている点も安心材料に。日々の運用の中で気になる点や不明点があった際にも、迅速に相談できる環境があることで、安心して業務を任せられると感じました。
◆ クラウド型「Oens人事・給与システム」とは?
人事情報をベースに、正確かつ効率的な給与計算を実現するサービスです。さらに、給与業務全体の効率化に向けて、貴社の運用に合わせた業務アウトソーシングにも柔軟に対応。勤怠管理システムとの連携により、データ連携の手間削減も可能です。
◆ 「かんたんぺパレス!」とは?
受け取り帳票の「電子化・データ入力・電子保管」、発行帳票の「印刷・封入封かん・郵送」「WEB送信」まで、帳票に関わる業務を一括して効率化できるサービスです。
今回、社会福祉法人富山県社会福祉協議会様では、給与明細のWeb配信によるペーパーレス化・職員の利便性向上を目的にご導入いただいています。
導入効果・メリット
-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:給与業務時間67%削減!「3時間 → 1時間」に
給与業務のアウトソーシングにより、給与計算やOens人事・給与システムへの入力、職員の異動・入れ替えに伴うマスタ登録業務など大部分を委託できるようになり、作業時間は3時間以上から1時間へ大幅短縮。時間外命令簿が各職員から集まり次第対応できるため、状況によっては約30分で完了するケースもあります。担当職員が毎月行う作業は時間外手当の確認・反映など必要最小限の対応のみとなっています。
また、複数の雇用形態や支給日が混在する中で発生していた計算や処理の負担についても、アウトソーシングにより業務が一時期に集中する状況が緩和。限られた日数の中で処理を詰め込む必要がなくなり、余裕を持った業務運用が可能となっています。
現在もExcelでの計算は確認のために実施していますが、あくまで二重チェックの位置づけです。従来のように一から計算を行う負担はなくなり、業務が非常にラクになりました。
効果2:給与計算の不安解消、精度向上を実現 !
給与計算そのものを委託できるようになったことで、従来抱えていた「ミスできない」という心理的なプレッシャーは大きく軽減。特に、社協特有の遡及差額の計算のように複雑でミスのリスクが高い業務についても、自社で一から計算を行う必要がなくなり、安心して対応できるようになりました。
運用は、HCSさん側で算出した結果を基に当社協で確認するだけで作業が完了。アウトソーシングによる計算結果を前提に業務を進められるため、計算内容に対する不安や負担は大きく抑えられています。
また、差異が発生した場合も、HCSさんに依頼して再計算・調整できる仕組みが整っているため、複雑な計算を当社協でやり直す必要はありません。給与計算の精度を担保しつつ、業務を無理なく進められる環境に変化しました。
さらに、業務の大部分を委託できる運用となったことで、担当職員の交代時にも従来のように細かな計算内容や処理手順を引き継ぐ必要がなくなり、引き継ぎに伴う負担も軽減。担当者が変わっても安心して運用を継続できる体制につながっています。
効果3:給与明細のペーパーレス化で、印刷 / 配付作業をゼロに
『かんたんペパレス!(給与明細Web化)』導入により、従来行っていた印刷・仕分け・配付といった一連の作業はすべて不要となりました。配付のためにフロア間を移動する必要もなくなり、給与明細発行に伴う物理的な業務は実質ゼロとなっています。
また、複数の雇用形態や出勤頻度の違いにより発生していた個別対応(手渡し・保管)についても、各職員がWeb上で自ら確認できるようになったことで、担当職員の対応は不要に。紙明細の一時保管や金庫管理といった配布後の対応もゼロになり、運用負担の軽減につながっています。
コスト面では、専用用紙による印刷がなくなったことで、紙代は現在一切発生しておらず、継続的な削減効果につながっています。
さらに、Web上で管理できるようになったことで、紙明細の保管が不要となり、過去分の確認もオンライン上で簡単に行えるようになりました。紙明細による「かさばる」「探す」といった手間も解消。パソコンやスマートフォンからいつでも給与明細を確認できるようになったことで、職員も配付を待つ必要がなくなり、利便性が向上しています。
今後の展望
-今後、取り組みたいことをお聞かせください-
年末調整のWeb化を検討しており、今年の年末調整作業に向けてWeb化サービスの導入を予定しています。
これまでの運用では、国税庁のサイトから年末調整書類を印刷し、75名分を配布するところから始まり、1か月後に回収した紙の書類を1名分ずつ確認・修正。さらに国税庁指定のExcelフォームへ入力して登録する流れでした。繁忙期と重なることもあり、日常業務にも影響が出るなど、負担やプレッシャーが大きい業務となっていました。
Web化により利用者が自ら入力・登録できるようになることで、給与担当職員の作業負担や心理的な負担の軽減を期待しています。職員自身が内容を直接入力することで確認の精度向上にもつながり、担当職員と各職員の双方が安心して利用できる運用を目指しています。
-インタビューにご協力いただきありがとうございました-

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