「即時に届く」を実現!請求書の発行作業を90%削減する方法とは?

請求書Web照会サービスにより、属人化を解消した事例

公開日: 2023.10.02

HCSNewsLetter 第228号

取材協力

代表取締役  石原 正様
総務部 課長 津田 和加子様

富山通商株式会社様について

[所在地]
富山県富山市秋ケ島1503番地

[事業概要]
環境機器、産業機器、高性能潤滑油、化成品の販売

富山通商株式会社様 Webサイト

手作業が多かった、請求書発行作業の改善を目指し、「帳票Web照会サービス」を導入。業務の効率化と標準化を実現した事例をご紹介します。

課題
(1)請求書の発行作業における属人化の解消
(2)手作業が多い、封入封緘業務にかかる時間の削減
(3)郵便物のサービスに左右されない運用の実現
効果
(1)封入封緘業務を約90%削減し、業務標準化に
(2)請求書配送までの作業時間が1/2以下に
(3)取引先様は、請求書の即時受領が可能に

目次

請求書発行作業の効率化を実現するための「3つの課題」

-検討のきっかけを教えてください-

 請求書を電子化している取引先様がちらほらと見受けられ、当社も興味を感じていました。以前から「早く・確実に、請求書を取引先様にお送りしたい」「封入封緘業務の属人化を解消したい」と思っていたので、HCSさんに相談しました。

総務部 課長 津田 和加子様

-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:請求書の発行作業における属人化の解消

 

 導入前、封入封緘業務を経理課の担当者1人で行っていました。担当者はベテラン社員でしたが、本人の希望もあり、途中で雇用形態を正社員からパート社員へ切り替えることに。勤務時間が限られることで、かえって大変だったと思います。他の経理メンバーが業務を手伝うことも考えていましたが、手作業が多い封入封緘業務に新たに割く時間がなく、担当者の作業量を減らせない状況が続いていました。毎月、請求書の発行時期は作業が集中するため、気軽に休めないプレッシャーもあったのではないでしょうか。

 

 冬場、災害級の悪天候時など、担当者の出勤時間が遅れてしまうこともありました。社員の安全が第一ですが、もし締め日とタイミングが重なる場合、取引先様にもご迷惑をおかけしてしまうのでは…と不安を抱えていました。

 

 経理課の体制見直しは不可欠。属人化解消に向け、他の経理メンバーへの負担が最小限になるよう、手作業の多い封入封緘業務をシンプルにする必要がありました。

課題2:手作業が多い、封入封緘業務にかかる時間の削減

 約150先分の請求書を、①印刷、②印字内容のチェック、③折込み、④封入封緘、⑤発送まで、全て1人で手作業していたので、とても大変でした。

 

 請求書が複数枚にわたる時の折り作業は毎回気を遣っていましたね。窓あき封筒で、均等折りではなく、社名が外から見えるように折る工夫も必要で、折込み、封入作業は時間がかかっていました。取引先様に送るものなので、担当者はいつも丁寧に作業してくれていましたね。

 

 担当者は締め日当日~翌日の丸々2日間、請求書の郵送作業に充てていました。必着日が早い取引先様の請求書を優先的に作成するなど、作業順の細かい考慮が必要で、作業量も多く、他業務を行う時間が全くなかったと思います。

 

課題3:郵便物のサービスに左右されない運用の実現

 2021年頃から「土曜日の配達停止」など、郵便局のサービス縮小により、配達日数が読みにくくなりました。さらに、業務途中に外出して請求書を投函するのは時間がもったいないので、いつも終業後に投函。翌日回収になってしまい、1~2日は到着日がずれ込んでしまいます。必着日までに届くよう、考慮すべきことが多くあり、心理的負担が増していました。

 

 期日通りに届かない場合も想定し、取引先様にはあらかじめ請求書の内容をFAXで送信。手間はかかっていましたが、請求書の必着日厳守は会社の信用問題に関わるので、余裕を持った配送には気を使っていましたね。

「3つの課題」を解決する「帳票Web照会サービス」

-採用の決め手を教えてください-

 既存の販売管理システムと連動させられることです。利便性を上げるためには、請求書の作成と配送に関わるシステムの横のつながりが大切ですので、既存システムを活用して変革を行っていくことに魅力を感じました。

 また、HCSさんには細かい要望も伝えやすかったです。従来の請求書は専用紙を利用していたのですが、電子化に合わせて普通紙に対応したレイアウトに。販売管理システム側の改修もスムーズでした。

-工夫した点を教えてください-

 請求書の電子化に向け、対象先決めを工夫しました。取引頻度に関係なく、まずは、請求書の送付が多い「20日締め」「末締め」の取引先様を対象先として絞り込み。作業量が多い締め日グループに対し、実業務と並行して請求書の発行業務を行えるよう体制を整えるのが狙いです。

 対象の取引先様には、電子化切替のご案内メールを送付。すぐに了承をいただけない先もありましたが、「取引先様の利便性」を何度も丁寧にお伝えし、理解いただけました。中にはご希望に応じて、引き続き郵送対応している取引先様もあります。HCSさんには、案内文のひな形を提供いただくなど、「帳票Web照会サービス」の導入をサポートしてもらい非常に助かりました。

 

 電子化切替の案内作業は、1人で行う必要があり大変でした。しかし、案内をお送りしたことをきっかけに、しばらく疎遠になっていた取引先様との取引が再開するといった、嬉しい効果もありました。

 

 今は、Web配信と郵送を併用。「10日締め」「15日締め」などの取引先様は、今回の電子化切替の対象外にしているため、引き続き郵送で請求書をお送りしています。

導入効果・メリット

-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:請求書の封入封緘作業が約90%削減し、業務標準化に

 導入後の主な作業は、販売管理システムから出力する請求書の内容チェックのみ。シンプルな作業のため、新しい担当者も無理なく対応できています。今は2名体制で担当しており、どちらかに不都合があっても、業務を継続してまわせるので安心です。BCP対策の一環にもなったと思います。

 

 また、複数人で出力内容をチェックするようになり、請求書の正確性向上にもつながっています。安心して請求書が発行できるようになりました。

効果2:印刷から郵送までの作業時間が1/2以下に

 請求書をWeb配信できるようになり、作業時間はかなり短縮されましたね。

 販売管理システム上で請求書控えを発行して出力内容をチェックすれば、その時点でひと仕事が終わったも同然といった認識です。印刷から発送までにかかっていた業務は、ボタン1つで請求書データをアップロードするだけになりました。封入封緘に時間が取られず、実際にかかる時間は1/2以下。締日翌日の午前中には、請求書をHCSさんのデータセンターにアップロード完了。郵送の際の重量や、折込みといった封入作業の工夫も気にすることなく作業ができますので、精神的な負担も削減できたと感じています。

効果3:取引先様は、請求書の即時受領が可能に

 請求書データをアップロードすると、取引先様ごとに自動振り分けされ、完了時にHCSさんから通知が来ます。その後、「請求書のWeb配信実行」から「取引先様へメール通知」までは、当社がボタン1つで行えます。配信から受領までのタイムラグはほとんどなくスムーズです。

 以前までは取引先様の都合に合わせ、締日より早めに送付する場合もありました。対応スピードを要求される取引先様には、請求書のWeb配信に切り替えることで運用が簡単になり、助かっています。

 

 現在は郵送件数が少ないため、封入封緘作業も余裕を持って行えています。使ってみて便利だと感じたのですが、Web照会サービスでは取引先様の開封状況が見えるので、請求書は無事に届いているだろうか」という不安がなくなりましたね。

今後の展望

今後、取り組みたいことを教えてください

 他の発行帳票も電子化していきたいです。最近は取引先でもますます帳票の電子化が進んでいるため、「納品書は電子化しないのですか?」と聞かれることも徐々に増えてきました。

 

 また、当社に届く請求書・納品書などの受け取り帳票に関しても、作業を効率化したいですね。電子帳簿保存法対応のため、現在は電子で届いた帳票全てに、手作業で名前を付け、保存している状態です。これもボタン1つで作業が完了できれば便利で良いなと思っています。

-インタビューにご協力いただきありがとうございました-
富山通商様 新社屋外観(2023年9月19日 移転開業)
富山通商様 新社屋外観

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