働く意識を変える!リアルタイムな勤怠管理の方法とは?
残業・有休管理のシステム化に成功した、中小企業における勤怠管理の効率化事例
公開日: 2023.07.03
HCSNewsLetter 第225号
取材協力
代表取締役 宮城 和彦 様
総務 宮城 有紀 様
富山明興産業株式会社様について
[所在地]
富山県滑川市中川原125番地
[事業概要]
ワイヤーハーネス、及び電子部品の販売
全て手作業だった勤怠管理業務の改善を目指し、スマホからアクセス可能な「クラウド型勤怠管理システム」を導入。業務の効率化を実現するとともに、勤務状況の見える化と社員の働き方に対する意識向上に成功した事例をご紹介します。
- 課題
- (1)経営層から社員の勤務状況が見えにくい
(2)時間有休の残数が分からない
(3)全て手作業で時間がかかる
- 効果
- (1)全社員の働く意識向上と作業効率化に
(2)いつでも確実に有給休暇の残数が確認可能に
(3)90%以上の業務時間削減に
目次
勤怠管理の効率化を実現するための「3つの課題」
-検討のきっかけを教えてください-
時間外労働の上限規制や有給休暇の取得義務化など、働き方改革関連法案の施行がきっかけです。
これまでは紙と電卓を使い勤怠管理を行ってきました。当社の規模では、やろうと思えば手作業で管理ができるので、システム導入に踏み切れないでいました。手作業では、「間違っているかもしれない」という不安を常に抱えていて、確実に勤怠管理をしていきたいと思い、法改正をきっかけにシステム化することに決めました。
総務 宮城 有紀 様
-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:経営層から社員の勤務状況が見えにくい
以前はすぐに社員の勤務状況が確認できず、誰がどれだけ残業したか、休日出勤したかが分かりにくい状態でした。
これまで勤務状況を確認できるのは月の締め処理後で、リアルタイムの状況把握ができませんでした。時間が経つと「なぜ残業・休日出勤が必要だったのか」を確認するのが難しく、中々声掛けができません。休日出勤に関しては、当日出勤している社員に直接電話していましたが、人数の把握のみに留まっていました。
また、当社は男性社員も育児休暇を積極的に取得しています。期間としては2週間~1か月程度が多いですが、その時期を把握するのが大変でした。「いつから休みなのか、いつ戻ってくるのか」を総務に聞き、紙の休暇申請書を調べてもらうことが度々ありましたね。「〇〇さんはどうして休んでいるの?」と思った時にも、確認にひと手間かかっていました。
課題2:時間有休の残数が分からない
当社は、有給休暇5日分を、1時間単位で取得することができます。社員はこの制度を有効活用していますし、会社としても可能な限り働いてもらえるので、とても助かっています。
しかし、これまでは時間有休の残数を簡単に確認する手段がありませんでした。有休残日数を給与明細に記載していましたが、給与システムの仕様上、残数の内どれだけが時間有休なのかを記すことができず、総務に聞くしかありませんでした。
総務では時間有休を含め、有給休暇を紙の申請書で管理していました。毎月の締め日に確認し、給与システムに反映。それ以外のタイミングで有給休暇の残数を社員から問い合わせされた場合には、その都度休暇申請とタイムカードを照らし合わせて残数を確認・回答していました。
時間有休は、1時間単位で取得するため、通常の有休に比べ細かい管理が必要です。製造部門で働く社員には女性が多く、育児や介護などで、当日に突然休暇を取ることがあります。時間有休を取りたくても残数が分からず、総務に電話で確認するケースも少なくありません。社員自身ですぐに確認できず、不便だったのではないかと思います。
課題3:全て手作業で時間がかかる
毎月15日の締め日には全社員のタイムカードと休暇申請書をチェックし、勤務時間や残業時間、有給休暇の取得日数を紙の勤怠管理表に書き出します。Excelは使用せず、電卓を使って集計作業を行っていました。約50名分の勤怠管理業務を1人で、全て手作業で行っていたため、締め後の2~3日間は勤怠管理業務に追われる状況でしたね。
また、事務所と離れている関連会社に勤務する社員のタイムカードは、締め日の翌朝に回収に行っていました。打刻漏れや休暇申請書に不備がないかなどを関連会社側で確認をしてもらいますが、回収に間に合わず「もう少し待って!」とバタバタすることも。給与の支払いにも影響するので、毎月神経を使っていました。
「3つの課題」を解決する「勤怠管理システム」
-採用の決め手を教えてください-
システムの「柔軟さ」です。当社は関連会社と合わせて勤怠管理を行っています。当社と関連会社で異なる始業時間や休憩時間、時間有休の細かい管理が必要でしたが、パッケージ製品で対応できるのか不安でした。HCSさんからご紹介いただいた勤怠管理システムは、当社の形態に合わせて柔軟にカスタマイズが可能で、ぴったりだと実感しましたね。
また、Webブラウザからアクセスが可能な点も魅力的でした。社内で個別PCを持たない社員が大半なので、スマートフォンから必要な時にアクセスできるのはとても便利です。また、外出先からのアクセスも可能なため、急な休暇申請の承認などにも対応でき助かっています。
-工夫した点を教えてください-
社員に負担がかからないよう、以前のタイムカードでの打刻方法に近いICカードでの運用を選択しました。タイムレコーダーやICカードの設置場所も同じにしています。全社員のICカードはタイムレコーダー横に置き、社内で一括管理。各自で管理した場合、カード忘れや紛失リスクも考えられるため、引き続き、以前のタイムカードと同じように一括管理しています。
システム導入による大きな混乱はありませんでしたが、当初の2~3か月は「有給休暇を1日で申請したけど、半日で良くなったので変更したい」など、社員からの問い合わせが多くありました。そんな時にはHCSさんに連絡。毎度丁寧にご支援いただき、本当に助かりました。
導入効果・メリット
-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:全社員の働く意識向上と作業効率化に
代表取締役 宮城 和彦 様
社員の勤務状況がすぐに確認できるようになりました。
システムにログインするだけでいつでもどこからでも確認ができます。社長である私や管理職に、勤務状況が見える環境になったということです。最近では新型コロナウイルスが5類になったことで、出張が急激に増え会社を不在にすることが多くなりましたが、どこからでもシステムにアクセスできるので安心です。出張先や外出先でもリアルタイムな勤務状況が確認可能になりました。いつでも目が届くようになったことで、いい意味で社員一人一人の気持ちも引き締まり、残業時間や勤務状況など、働く意識を向上することができたと感じています。
また、各種申請の承認も外出先からでき、とても重宝しています。これまでは紙の申請書だったので、事務所で確認し押印する必要がありました。今では、スマートフォンから承認がすぐに可能。出張で長期不在にする際や緊急の申請に対応できるので、とても助かっていますね。
さらに、社員へのリアルタイムな声掛けを実現することができました。具体的には、残業時間を把握し、勤務時間内で作業を効率的に行うことができないかアドバイスをしています。特定の社員に残業時間の偏りがあった時には、作業を分担し平準化するように声掛け。社員の働き方に気を配り、作業効率化につなげることを心がけています。
効果2:いつでも確実に有給休暇の残数が確認可能に
有給休暇は時間有休も含めてシステム上でまとめて管理できるようになりました。有給休暇、時間有休の取得状況、残数は自動計算され、社員はリアルタイムな情報をPCやスマートフォンを使って自分で確認することができます。総務への問い合わせはゼロになり、社員からも便利になったと評判です。
効果3:90%以上の業務時間削減に
タイムカードから勤怠管理表への書き出し作業はゼロ。集計もシステムが自動で行ってくれるので、毎月2~3日かかっていた作業が約1~2時間に短縮でき、90%以上の削減になりました。空いた時間を他の業務で有効に活用することで、業務効率化につながっていると思います。
電卓を使い手作業で行っていた集計作業が自動化されたことで、手作業による間違いの不安もなくなり、精神的にもとても楽になり助かっています。これまでは当たり前のように作業を行っていたので気づきませんでしたが、システム導入でこんなにも楽になるのかと…。もう離れられませんね。
今後の展望
-今後、取り組みたいことを教えてください-
人手不足でリソースが限られる中、いかに効率的に業務を遂行していくかが重要な課題です。今回、システム導入の効果を強く実感したこともあり、他業務の効率化のため、システム化を積極的に進めていきたいと考えています。まずは、まだまだ人力に頼っている工程管理から。当社ならではの特殊な運用もあり、パッケージ製品で合うか不安を感じている状況です。効率化を実現するHCSさんからの素敵な提案を期待しています。
-インタビューにご協力いただきありがとうございました-
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- 導入サービス:勤怠管理システム
- 課題
- (1)適切な方法で勤務実態を把握したい
(2)部活動の取り組みを管理したい
(3)勤怠管理業務を効率化したい
- 効果
- (1)客観性のある勤務実績の記録を実現
(2)残業や部活動の予実を一元管理
(3)勤務日数 /時間は一目で確認可能に