紙が当たり前だった販売管理業務を、ムリなくデジタル化する方法とは?
穀物卸売業におけるクラウド型販売管理システムのカスタマイズ導入事例
公開日: 2024.06.03
HCSNewsLetter 第236号
取材協力
部長 鷹栖 実 様、竹部 智恵 様
松木商事株式会社様について
[所在地]
富山県富山市中央通り3丁目1-3
[事業概要]
穀物卸、不動産賃貸、貸ビル(貸テナント、貸オフィス)
長らく手書きによる業務に慣れ、請求書の発行以外は全て「紙文化」。経営体制の若返りをきっかけに、販売管理の業務改革に着手。変化に伴う社員への負担を考慮しつつ、運用定着が進むよう3ステップで導入。原価意識の醸成にも成功した事例をご紹介いたします。
- 課題
- (1)「紙文化が当たり前」からの脱却
(2)正確な在庫量・原価の把握
(3)担当任せにしない販売・仕入業務
- 効果
- (1)正確な情報照会により、顧客対応スピードUP
(2)発注量を最適化、不良在庫を削減
(3)集計が1週間→30分、利益率もUP
目次
販売管理業務の最適化を実現するための「3つの課題」
部長 鷹栖 実 様
-検討のきっかけを教えてください-
事業継承を進め、新たな経営体制となったことです。3年前には本社を新築移転。心機一転の気持ちでしたが社内に目を向けると、紙と手書きに頼った煩雑な業務が変わらず残ったまま。新事業の領域拡大にも力を注ぐ今、時代とのギャップを改めて強く感じました。反対意見もあったなか、「紙文化」からの脱却は急務と捉えトップダウンでスタートしたのです。
-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:「紙文化が当たり前」からの脱却
在庫管理のための入出庫記録や会計帳簿、給与明細に至るまで、全てが手書きという昭和スタイルでした。
一番の悩みはお客様からの問い合わせ対応。過去の見積や取引に関する質問をいただくと、見積書2,3年分をひっくり返して探していました。ようやく見つけても、手書きの癖字で数字が読めないことが。
課題2:正確な在庫量・原価の把握
在庫管理は、はっきり言って荷姿単位のどんぶり勘定。例えば商品30kg入袋で仕入れ、小分けに袋詰め販売する際、余りは端数扱い。また、小分け時に汚れがあるものを取り除きますが、廃棄量も分からず、品質の確認も担当任せでした。
課題3:担当任せにしない販売・仕入業務
仕入は前年の販売実績をもとに一括発注、紙の記録を拾いながら電卓を叩くので、数字の読み間違い、計算間違いが原因で在庫過多・過少が発生。仕入量の決定にも1 週間程かかるなど、大変苦労していました。
それでも「手書きの方が早い」考えが当時の当社にとって当たり前の感覚。「慣れ」はおそろしいですね。
「3つの課題」を解決する「ターコイズ販売管理 V5 クラウド」
-採用の決め手を教えてください-
HCS さんに対する信頼が決め手でした。直近だとインボイスや電帳法対応など、何か困ったときにはすぐに相談に乗ってくれ親切丁寧、他の選択肢は考えられませんでした。
-工夫された点を教えてください-
在庫を正確に把握するための運用を、どのようにすべきか非常に悩みました。この点も、HCS さんに相談することで、当社が望む現実的な運用案とシステムをセットで形にしてもらいました。例えば、荷姿はもちろん、重量による把握も実現。商品・小分け後の端数・廃棄量も今では一目瞭然です。
定着までには苦労もありましたが、竹部さんが率先して順次活用、周りの社員を巻き込んでくれ乗り切ることができました。また、稼働時の社員負担が集中しないよう工夫し、売上→商品→在庫の三段階で対象システムを稼働しました。
導入効果・メリット
-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:正確な情報照会により、顧客対応スピードUP
効果2:発注量を最適化、不良在庫を削減
効果3:集計が1週間→30分、利益率もUP
お客様対応スピードが格段に早くなりました。問い合わせから、即決いただくご注文が増えた手ごたえがあります。
販売実績を各自が把握できるようになり、原価意識が生まれたのか、社員同士で議論する場面も増えました。過去の販売実績や各種在庫データに基づき仕入量も決定。余剰在庫を値引き販売する場面も減り利益は確実に増えています。
また、仕入量の決定に手作業で1週間かかっていたのが、30分程度で済むようになりました。
今後の展望
-今後、取り組みたいことをお聞かせください-
若い経営の体制なので不動産事業にとどまらず、いろんなジャンルの業種にチャレンジしていく予定。ITは取組み達成の有効な手段として、今後の業容拡大を見据え、引き続き使いどころを考えていきたいです。
-インタビューにご協力いただきありがとうございました-
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