数千パターンの加工品在庫をシンプルに管理する方法とは?

縫製業・製造業における在庫・販売管理業務の効率化事例

公開日: 2023.06.01

HCSNewsLetter 第224号

取材協力

代表取締役社長 大柳 英樹 様

株式会社ミヤモリ様について

[所在地]
富山県小矢部市埴生208

[事業概要]
スポーツウェア・カジュアルウェアの企画製造

株式会社ミヤモリ様 Webサイト

販売管理システム刷新をきっかけに、シンプルな在庫管理を実現することにより、業務効率化に成功した事例をご紹介します

課題
(1)複数にわたるシステムと複雑な運用
(2)プリント品の複雑な在庫管理
(3)出荷指示作業に手間がかかる
効果
(1)事業展開に合わせた統合システムに
(2)インストアコードで在庫管理の最適化に
(3)スムーズな在庫照会と出荷指示で作業効率化に

目次

シンプルな在庫管理を実現するための「3つの課題」

-検討のきっかけを教えてください-

 使用していた販売管理システム(以下「旧システム」)のサポート終了がきっかけです。旧システムはパッケージ製品を使用していましたが、当社のやり方に合わず、機能面でも不足を感じていました。業務が複雑化していたこともあり、システムを見直し、刷新することに決めました。

-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:複数にわたるシステムと複雑な運用

 旧システムはパッケージ製品で、当社の業務に合わせて作られたシステムではなかったため、業務に合わず、不便さも感じていました。システムの構成上、複数画面を開いて作業することができず、画面も見やすく使いやすいシステムが必要でした。さらに、入・出荷指示の入力、在庫照会や請求処理などの複数業務を同時に行う場合には、複数の検索システムを使い分ける必要があり、運用が大変複雑な状態となっていました。

課題2:プリント品の複雑な在庫管理

 積送品(※1)の在庫管理が複雑になっていました。

当社は、北陸を中心に全国各地の学校の体操服を手掛けています。手掛ける学校数は約400校。学校によっては、名称や校章をプリントすることもあり、それらの積送品は、学校ごとに特別な区別が必要でした。しかし、これまでの積送品の管理は、プリントを施して特定の学校専用に加工された商品が入荷した時の伝票ジャーナル番号単位で管理。ジャーナル番号に複数種類の商品が紐づいており、区別が難しく、探すのにも手間がかかっていました。

 積送品を把握するには、品番、学校名だけでなく、体操服にはカラー、サイズ、製造年などの情報が存在します。これらを組み合わせると何百、何千通りの種類になるため、分かりやすい管理方法が必要だと感じていました。

  ※1:学校名称や校章などをプリントした出荷待機状態の商品

 

課題3:出荷指示作業に手間がかかる

 出荷指示作業にも手間がかかっていました。

 積送品の在庫管理はジャーナル番号単位であったため、出荷時の在庫確認、出荷指示には大変時間と手間がかかっている状況でした。

 在庫管理は委託する倉庫会社にて行っていますが、出荷指示は分かりづらいものだったと思います。出荷までをスムーズに行うためにも、分かりやすい出荷指示が必要だと感じていました。

「3つの課題」を解決する「販売管理システム」

-採用の決め手を教えてください-

 システムの「拡張性」です。当社はOEM生産を行っている関係で、委託元の仕様に合わせた項目設定など、システム上考慮する必要があります。販売管理システムの入れ替えをHCSさんに相談したところ、要望に応じて柔軟にカスタマイズが可能なシステムを提案していただき、当社の業務にフィットするシステムが出来上がると確信しましたね。

 また、「サポート体制」も決め手の1つです。北陸に拠点があり、すぐに駆け付けて対応いただける身近な距離であることも魅力的でした。

-工夫した点を教えてください-

 システム構築にあたり、HCSさん同席のもと委託先の倉庫会社と意見交換を行い、積送品の管理に関する課題や改善要望をいただきました。3社にて協議の結果、新システムでは改善策としてインストアコード(※2)を利用、商品を基軸として一元管理できるようにしました。

 コードは、品番・カラー・サイズ・ユーザー(学校)・製造年が区別できるよう定義しました。これらの情報を管理できるようになったため、かなり便利になったと思います。また、製造年の単位をコードに加え、在庫品の製造時期が区別できるようにしたことで、先入れ先出しに対応しました。

 委託先の倉庫会社の改善要望も一緒に解決し、倉庫会社と当社、双方の業務効率化につながりました。HCSさんの協力を得て、業務の課題をまとめて解決できて良かったです。

  ※2:自社内での商品管理に用いる独自採番のバーコード

導入効果・メリット

-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:事業展開に合わせた統合システムに

 当社の業務に合ったシステムになりました。システム更改にあたり、実現したいことを整理した上で、運用を見直し。システム面では、検索など複数のシステムに分散していた機能を統合。業務の流れがシンプルになり、効率化にもつながったと思います。

 また、システムの拡張性が高いため、事業展開に応じて更新ができるようになりました。旧システムはカスタマイズができませんでした。新システムでは要望に応じたカスタマイズができ、状況に合わせてシステムの運用改善を図れるので、とても助かっていますね。例えば、複数部署で新たな商品を販売することになった時でも、柔軟に対応できます。

効果2:インストアコードで在庫管理の最適化に

 インストアコード採用で積送品の在庫管理が簡便になりました。統一したコードで管理されるようになったため、品番や学校だけでなくカラー、サイズなど複数組み合わせのある、複雑な商品管理に対応することができています。

 また、在庫情報が整理されたことで、在庫状況が把握しやすくなりました。営業は外出先から端末で販売管理システムにアクセスし在庫を確認することがあります。確実に対象の商品の在庫を確認できるようになったため、在庫把握ミスの心配もなくなり安心です。確認に必要な時間も削減されたと思います。

効果3:スムーズな在庫照会と出荷指示で作業効率化に

 「在庫照会→出荷指示」の作業がスムーズになりました。出荷指示はインストアコードをもとに行うため、分かりやすい指示を出すことができます。

 また、委託する倉庫会社でのピッキング作業も効率化することができました。在庫管理の方法を、ジャーナル番号からインストアコードに変更して、積送品現物の在庫が管理できるようになり、商品の棚卸やピッキングにかかる作業時間も削減することができたと聞いています。「在庫照会→出荷指示→ピッキング」の一連の作業がスムーズになり、お互いの作業効率化と業務全体の効率化を実現でき、社員の働き方改善につながりました。

今後の展望

今後、取り組みたいことを教えてください

 当社で運営しているオンラインショップ「miAmore(ミ・アモーレ)」と販売管理システムとの連携をしたいと考えています。現在は分けて運用を行っていますが、今後はオンラインショップでの販売に更に力を入れていきたいと思っており、拡大とともにそれに合わせた運用・管理が必要になります。商品数や取引量の増加も予想でき、お客さまへスムーズにお届けをするには運営の効率化は欠かせません。新たな販売管理システムを活用しながら、業務効率化を実現していきたいです。

-インタビューにご協力いただきありがとうございました-

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