学習教材のデジタル化で、海洋教育の質を向上する方法とは?

教育現場におけるデジタル教材作成ツールの活用事例

公開日: 2023.08.01

HCSNewsLetter 第226号

公益財団法人 環日本海環境協力センター 様について

[所在地]
富山県富山市牛島新町 5-5

[事業概要]
日本海および黄海沿岸の各国・地域の機関と協力した、国際協力事業や各種調査研究、普及啓発・環境教育

公益財団法人 環日本海環境協力センター 様 Webサイト

学習教材の利用促進を目指し、デジタル教材作成ツール「育~る」を導入。利用者の興味を引く教材づくりと学習効果の向上を実現した事例をご紹介します。

課題
(1)海洋教育の普及に向けた利用者の増加
(2)教材受け取りにおける利用者の負担軽減
(3)教育の ICT 化への対応
効果
(1)ハイブリッド教材で学習効果の向上に
(2)Web 配布で受け取りの負担ゼロ
(3)デジタル化で教育現場での活用促進に

目次

学習教材の利用促進を実現するための「3つの課題」

-検討のきっかけを教えてください-

 当財団では海洋教育促進のため、2年前から「トランクキット」という学習教材を用意しています。トランクキットとは富山湾概況図や紙芝居、学習カード、海洋ごみサンプル、生物標本などが入った教材セットのことで、学校へ貸し出したり、当財団から講師を派遣し授業を行う際に持参したりして、教育実践に活用いただいています。このトランクキットをもっと活用いただけるものにしたいと思い、検討を始めました。

吉田 尚郁 様

-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:海洋教育の普及に向けた利用者の増加

 学習教材の利用者を増やし、もっと海洋教育を普及させたいと考えていました。

 これまでにトランクキットに興味を持ち、ご利用いただけた先は数先ありましたが、この先もっと利用を増やすにはどうしたらいいのか悩んでいました。

 これまでご利用いただくきっかけとなっていたのは、富山県内の学校や先生方の興味・関心が大多数です。これからもっとたくさんの方に「利用したい」「利用しやすい」と思っていただくためにはより興味・関心をもっていただく工夫と改善が必要だと感じていましたね。

課題2:教材受け取りにおける利用者の負担軽減

 トランクキットを借りる際、利用者に負担がかかっていました。トランクキットを借りるためには、ホームページからお申し込みいただき、直接当財団の事務所に受け取りに来ていただくか、送料を負担して宅配するしかありませんでした。しかし、「遠い」「時間がなくて取りに行けない」「送料の負担は難しい」といった理由で利用を諦める方もいました。受け取りの負担が、利用までに高いハードルになっていたのだと思います。

 

課題3:教育の ICT 化への対応

 教育現場では「GIGAスクール構想」がスタートし、ICT 環境の整備が進んでいます。今では学校の通信ネットワーク環境も整い、1人1台持っている端末を活用しながら授業を受ける時代です。こうした教育現場の現状がある中、トランクキットは全て現物。実物を見て、触って学習することも重要ですが、教育現場の現状に合わせて、学校側が利用しやすい教材の開発が必要だと感じていました。

「3つの課題」を解決する「育~る」

-採用の決め手を教えてください-

 サービスの「シンプルさ」です。「育~る」では、写真や動画、 説明文など複数のコンテンツを組み合わせることで、1つの教材を作ります。当財団で教材を作成する予定でしたので、簡単でスムーズに操作ができる点は魅力的でした。

-工夫した点を教えてください-

 子どもたちが楽しく学ぶことができるよう、クイズを取り入れました。構成は「説明→クイズ→解説」の流れで、最後に復習として活用できます。実際に授業を受けた子どもたちがクイズに熱心に取り組む様子が見られ、効果を実感でき良かったです。また、ツールの操作が簡単で、利用者の要望に合わせてコンテンツ内容を柔軟に変更でき、満足いただける内容にできていますね。

 教材の作成においては、トランクキットで使用していた紙芝居やカードをそのままデジタル化し、より便利に利用できるようになりました。

育~る

デジタル教材作成ツール「育~る」は、あらゆる業種の社内人材育成をご支援!動画や画像、クイズ、アンケートから構成される Web 教材をかんたんに作ることができます。

導入効果・メリット

-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:ハイブリッド教材で学習効果の向上に

吉田 尚郁 様

 「トランクキット×デジタル教材」を組み合わせた、ハイブリッド教材がご利用いただけるようになりました。トランクキットにある海洋ごみサンプルや生物標本の“実物を見て・触れる学習”と“デジタル教材での学習”が一体化。2つの要素が組み合わさることによって、利用者はより効果的に学ぶことができます。

 これまでも、海洋ごみサンプルや生物標本に触れる時間は、子どもたちの反応も良く興味を引いていました。授業が子どもたちにとってより楽しい時間になるためにも、クイズなどのデジタル要素を加えたハイブリット教材の活用は有効的だと感じています。

 トランクキットの貸出しもこれまで通り行っていて、トランクキットのみ、デジタル教材のみのご利用も可能です。ぜひ利用シーンやご希望に応じて、有効活用いただければと思います。

効果2:Web 配布で受け取りの負担ゼロ

 学習教材のデジタル化を実現することができたことで、トランクキットを借りる際の負担はゼロ。当財団のホームページからWeb でお申し込みいただければ、お持ちの端末ですぐにご利用できるようになりました。距離や時間、送料負担によって利用を諦めるということもなくなり、より気軽にご利用いただけるものになったのではないかと思います。

効果3:デジタル化で教育現場での活用促進に

 学習教材のデジタル化で教育現場のICT化に対応でき、今後の活用促進にもつなげられたと思います。

 子どもたちは自分の端末で教科書のように手元で教材を見て、クイズに取り組みます。1人で取り組むことができるため、集中できる環境になったと感じています。デジタル化でより良く、そして気軽にご利用いただくことができるようになりました。これから活用が増えていくことを期待したいです。

今後の展望

今後、取り組みたいことを教えてください

 学習教材をもっとたくさんの方々にご利用いただけるよう、海洋教育の大切さや教材の存在を広めていきたいです。デジタル化を実現できたことで、幅広い地域の方にご利用いただけるようになりました。富山県内だけに限らず、全国各地でご利用いただけると嬉しいです。

-インタビューにご協力いただきありがとうございました-

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