月1万件の請求書発行に追われる日々から解放!Web化で実現した、現場の”ゆとり”と“期待”

事例|卸売業における請求書発行業務の効率化方法とは?

公開日: 2025.12.01

HCSNewsLetter 第254号

取材協力

経理部 次長   片山 正弘 様
    課長代理 岡川 亜由美 様
    主任   黒川 智貴 様

サカヰ産業株式会社様について

[所在地]
富山県富山市桜橋通り5番6号

[事業概要]
高圧ガス、医療ガス、ガス関連設備の卸売業および技術サービスの提供 など。

サカヰ産業株式会社様 Webサイト

 毎月約1万件にのぼる請求書発行業務により、郵送コストや作業負担が増大。さらに、取引先ごとの要望に応じた煩雑な対応が必要となっていました。こうした課題をスリム化すべく『かんたんぺパレス!』を導入し、紙の請求書をWeb請求書へ切り替え。業務効率化とコスト削減を実現しただけでなく、従業員の精神的なゆとりも生まれ、本来業務に専念しやすい環境づくりにも成功した事例をご紹介します。

課題
(1)月1万件の請求書発行によるコスト削減
(2)発行業務に半日つきっきり、業務停滞と精神的負担からの解放
(3)送付手段や時期の標準化で業務の安定性UP
効果
(1)郵送にかかるコスト削減への期待感UP!
(2)封緘作業を軽減し、精神的ゆとりを確保
(3)個別対応の簡素化で対応ミスを防ぐ環境へ

目次

請求書発行業務の効率化を実現するための「3つの課題」

経理部 主任 黒川 智貴 様

-検討のきっかけを教えてください-

 社内外の環境変化に対応する必要性を強く感じたことがきっかけです。

 

 社会全体で進むデジタル化の流れに合わせて、当社でも『SDGs』への取り組みを推進しており、紙の使用量削減や業務の効率化が求められていました。中でも、請求書発行業務は紙の使用が多く、改善の余地が大きい領域と捉えていました。

 

 さらに、郵便料金の値上げが決定したことで、毎月約1万件にのぼる請求書の郵送にかかるコストが今後さらに増加する見込みとなり、間接コストの削減が急務に。また、得意先さまからは「請求書をWeb化してほしい」といった声が増えており、こうした要望も請求書Web化を検討する大きな後押しになりました。

 

 これらの背景を踏まえ、「まずは請求書発行業務の見直しから始めよう」と判断し、請求書Web化の導入を本格的に検討することになりました。

-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:月1万件の請求書発行によるコスト削減

 当社では、毎月約1万件の請求書を発行しており、そのうち約半数が封書での送付です。郵便料金の値上げが続く中、これらの郵送にかかるコストは年々増加。会社全体の間接コストに大きく影響を与えており、早急な対策が必要でした。


 郵送にかかるコストは、単なる切手代だけではありません。封筒や用紙などの資材費、印刷機の維持費、作業にかかる人件費など、目に見えないコストも積み重なっていました。

課題2:発行業務に半日つきっきり、業務停滞と精神的負担からの解放

 封書での請求書送付は、作業工程が多く、各支店にとって大きな負担となっていました。請求書発行業務はそれぞれの支店の総務課が約2名で対応しています。特に封書対応は、「印刷、三つ折り、封入封緘、通数確認、郵送準備」といった一連の作業が発生し、業務の複雑さと作業量の多さが課題でした。

 

 このうち、富山県、石川県の支店の分についてはHCSさんに印刷業務をアウトソーシング※1し、業務の効率化を図っています。ただし、封書の中には送付不要や別様式での送付を希望される得意先さまが多数存在するため、HCSさんから請求書到着後に当社で仕分け・確認を行い、各担当者に振り分ける必要あります。すべてを外部に任せると、この重要なチェックができなくなるため封入封緘から発送までは自社で対応しており、作業負荷は非常に高い状況でした。

 

 特に20日や月末などの締め日には、1拠点あたり約1,500件以上の対応が集中し、半日以上をその作業に費やす状況。他の業務が手につかず、「この作業を終えないと次の業務に進めない」という状況が常態化していました。さらに、郵便局への持ち込みには時間的な制約があり、請求書を受け取ったその日のうちに発送準備を完了させる必要があるため、時間との勝負になる場面も多く、精神的な負担も課題でした。

 

 また、ガスボンベの貸借照合書など、請求書と同封すべき書類の同封漏れや封入ミスが発生するリスクがあり、確認作業にも多くの時間を要する状況。こうしたミスは得意先さまへの信頼にも関わるため、作業の正確性を保つ精神的なプレッシャーも大きかったです。

 

※1:企業が自社で行う業務の一部を外部の専門企業に委託すること。

課題3:送付手段や時期の標準化で業務の安定性UP

 請求書の送付方法は得意先さまごとに異なる要望があり、「FAXで送ってほしい」「メールで送ってほしい」「専用サイトにアップロードしてほしい」など、個別対応が必要なケースが多く、標準化が難しい業務となっていました。

 

 請求書の発送には、各支店で独自にリストを作成し、送付方法・締め日・必着日などを管理しています。リストに基づき、送付先の確認やFAX送信などの個別対応を行っていましたが、送信漏れや誤送付といったヒューマンエラーが発生することもありました。

 

 発送後も、月初の休業などで締め日がずれると、請求書の到着が遅れ、「請求書はまだですか?」という問い合わせが発生。電話やメールでの対応に追われる場面も多く、業務負荷の一因となっていました。

「3つの課題」を解決する『かんたんぺパレス!』

-採用の決め手を教えてください-

 請求書Web化にあたり、複数のサービスを比較検討しましたが、当社の業務を深く理解していただき、安心して相談・運用できる体制が整っていたことが決め手です。導入検討の段階からHCSさんと定期的に打ち合わせを行い、細かな仕様や運用方法について丁寧にすり合わせることができました。何かあればすぐに相談できる体制が整っていることは、導入後の安心感にもつながっています。

 

 また、「かんたんペパレス!」は、現行の請求書様式をそのままWeb化できる点も大きな魅力でした。得意先さまが見慣れた形式を維持できることで、混乱なくスムーズに移行できると判断。請求書様式の加工の手間や追加コストが抑えられる点も大きなメリットでした。

 

 

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-工夫された点を教えてください-

〈工夫点①:対象先について〉

 実際の運用環境でトラブルなく稼働できるかを確認するため、いきなり全得意先さまに展開するのではなく、2ステップで段階的に進めました。

 

 まず第1ステップとして、社員向けに請求書Web化の運用を開始。対象は、本社社員約10名で、万が一トラブルが発生してもすぐに対応できる体制を整えたうえで、実際の運用を試しました。第2ステップとして、約300先の得意先さまへ請求書Web化の案内を開始。各支店で「急いで出してほしい」「メールで送ってほしい」「Web請求書にしてほしい」といった要望が多い得意先さまをピックアップし、Web化に前向きな先を優先的に案内しました。

 

〈工夫点②:請求書Web化の申込方法について〉

 請求書Web化にあたり必要となる得意先さまのメールアドレス収集方法に悩んでいたところ、営業担当からHCSさんの「milmel」※2を提案してもらいました。当社のHPに「請求書電子化のお申込・請求書の照会」フォームを設置し、得意先さまが簡単に申込・照会できる仕組みを構築。情報収集から運用までを効率化できた点も、導入成功の大きな要因になりました。

 

※2:メールを活用した顧客情報の収集・管理ができる、

   HCSのアドレス収集・メール配信サービス。

経理部 課長代理 岡川 亜由美 様

導入効果・メリット

-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:郵送にかかるコスト削減への期待感UP!

 請求書Web化により、紙での郵送件数が減少する兆しが見え、郵便料金や封筒・用紙などの資材費、印刷機の維持費、人件費といった間接コストの削減につながる環境が整いました。

 

 まずは、約300先を対象に請求書Web化を進めたことで、紙の郵送が不要となり、一定のコスト削減を達成。今後、対象先をさらに拡大することで、郵送コストの大幅な削減が期待できると感じています。

 

 最終的には、全体の8割以上の得意先さまをWeb化することを目標としており、紙の請求書にかかるコストや作業負荷を大幅に削減できる環境を実現したいです。

効果2:封緘作業を軽減し、精神的ゆとりを確保

 封書対応にかかる業務負荷については、請求書Web化により確実に作業量が減少しています。これまで締め日には半日以上作業に追われていましたが、Web化された請求書は封入封緘や通数確認が不要となり、作業時間の短縮や他業務へ集中できる時間が確保できるようになりました。担当者の精神的なゆとりも生まれ、社内全体の効率化にもつながっています。

 

 郵送が不要となったことで、発送準備や郵便局への持ち込みといった業務も軽減し、時間的制約からも解放。これまでの「その日のうちに発送しなければならない」というプレッシャーも軽減され、余裕を持った対応が可能になっています。

 

 今後、請求書だけではなく、ガスボンベの貸借照合書などのWeb化も検討しています。同封漏れや、封入封緘ミスといったヒューマンエラーのリスクも確実に減少すると感じています。段階的にWeb化を進めることで、さらなる業務の平準化と作業負荷の軽減が進み、付加価値業務への注力が可能になることを期待しています。

効果3:個別対応の簡素化で対応ミスを防ぐ環境へ

 請求書Web化により、得意先さまが好きなタイミングで請求書を確認できる環境が整い、個別対応の一部を簡素化できました。Web化案内を送付したその日に登録いただいた得意先さまもおり、ニーズの高さを実感しています。

 

 これまでは、各支店で送付方法や締め日などをリスト管理し、FAXやメールなどの個別対応を行っていましたが、締め日には対応が集中し、送信ミスや問い合わせ対応が発生するなど、業務負荷の要因となっていました。現在は、締め日に自動で「アップロード通知メール」が得意先さまに届く仕組みとなっており、当社側ではアップロード状況を確認するだけで済むため、対応の手間が大幅に軽減される環境が実現。

 

 運用が順調に進んでいることから、今後は対象先を段階的に拡大し、個別対応の標準化と業務の安定化を積極的に進めていく方針です。最終的には、対応方法の統一により、問い合わせ対応のミスや負担を大幅に軽減することを目指しています。

 

 

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今後の展望

-今後、取り組みたいことをお聞かせください-

 2025年10月、約3,000先へ請求書Web化の案内を送付しました。得意先さまからはスムーズな反応をいただいており、運用は順調です。今後はこの成果を踏まえ、対象先を段階的に拡大していく方針です。

 

 また、これまで法人向け中心でしたが、今後は個人向けの展開も検討しています。個人のお客さまは、はがき送付が多くWeb化へのハードルがありますが、HCSさんと連携しながら利便性を訴求していく予定です。

 

 さらに、将来的には請求書だけでなく、貸借照合書などの同封書類やその他帳票類の電子化も視野に入れています。すでにWeb化の基盤は整っており、今後は得意先さまのニーズや業務の実態に合わせて、無理のない形で対象先を広げながら、着実に効率化を進めていきたいです。

経理部 次長 片山 正弘 様

-インタビューにご協力いただきありがとうございました-

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