伝票作成スピードと在庫管理の精度UP!人に頼る運用から、仕組みで支える体制へ
事例|製造業における、販売管理 / 在庫管理業務の効率化方法とは?
公開日: 2025.07.01
HCSNewsLetter 第249号
取材協力
サポート課 間坂 涼子様
製造部 製造課 主任 中 翔 様
製造部 業務サポート課 川幡 直史 様
酒井容器株式会社様について
[所在地]
富山県高岡市石丸704-3
[事業概要]
食品プラスチック容器の製造・販売。
長年使用していたシステムは、得意先さま情報や在庫 / 出荷業務の管理はすべて手作業で、非効率な業務が深刻な課題に。『ターコイズ販売管理 V5 クラウド / 検品君』の導入で、伝票作成のスピード向上、在庫管理 / 出荷作業の効率化で担当者の負担軽減と顧客満足度の向上を実現できた事例をご紹介します。
- 課題
- (1)得意先別単価の紙運用廃止
(2)在庫情報の見える化と出荷作業の見直し
(3)手書きの送り状 / 荷札シールからの脱却
- 効果
- (1)売上伝票作成のスピード向上!
(2)正確な在庫管理で誤出荷防止に
(3)手書き運用の廃止で、納品書発行が最長7日→即日対応!
目次
販売 / 在庫管理業務の効率化を実現するための「3つの課題」

製造部 業務サポート課 川幡 直史 様
-検討のきっかけを教えてください-
新社屋への移転をきっかけに、業務体制が大きく変わり、心機一転、業務効率化を本格的に進める必要性が高まりました。
旧システムは約29年間使用されてきましたが、業務の変化に柔軟に対応できず、増加する作業負担をシステム側で吸収できませんでした。その結果、業務の多くを人手で補わざるを得ない状況が続いていました。
さらに、以前は事務所と工場が隣接しており、一部の倉庫(1号・2号倉庫)は別の場所にありました。そのため、すべての拠点が1か所に集約されていたわけではありませんが、拠点数が少なかったこともあり、多少の非効率があっても業務は回っていました。しかし、その後倉庫が4つに増え、拠点間の距離が業務負担に直結するようになったことで、従来の体制と運用では限界に。
「このままでは業務が回らない」という危機感から、「今こそ刷新のタイミング」と判断し、システム導入を決断しました。
-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:得意先別単価の紙運用廃止
旧システムでは得意先別の販売単価を管理しておらず、紙の単価表を見ながら単価と得意先コードを手入力していました。売上伝票と納品書の作成には時間と手間がかかり、事務員の負担は大きかったです。
販売管理業務は事務員2名で対応していましたが、システムを使用できるPCが1台のみだったため、業務の効率に大きな制約がありました。単価表も1冊しかなく、PCの使用と同様に順番待ちが発生し、業務が一時的に止まることもありました。得意先コードも紙のリストから探して旧システムに手入力しており、旧システムにコード検索機能があった可能性はありますが、使い方を相談できる相手もおらず、活用できていませんでした。
商品コードの管理も統一されておらず、入力者によって半角・全角が混在し、同じ商品に対して複数のコードが存在するなど、管理が煩雑な状況でした。
課題2:在庫情報の見える化と出荷作業の見直し
以前は、正確な在庫管理ができておらず、在庫確認 / 出荷作業に多くの時間と労力がかかっていました。
在庫管理は2名で行っていましたが、限られた人員での作業は非常に大変でした。特に、出荷頻度の高い約50種類・100個ほどの商品は、常に在庫確認が必要で、数えるだけでも一苦労。週に1度、すべての在庫を簡易的に確認していましたが、実際の正確な在庫数は把握できませんでした。注文時に出荷数量が多いと在庫数が不安になり、倉庫まで急いで確認に行くこともありました。さらに、急な電話で「今すぐ在庫を確認してほしい」と依頼されることも多く、通常業務を中断して倉庫へ向かう必要があり、精神的にも負担が大きくなっていました。
事務員はシステムで在庫を確認できず、注文のたびに倉庫へ足を運ぶ必要がありました。夏場は、事務所・工場・倉庫を行き来して汗だくになることも。さらに、倉庫担当者を探して歩き回ることも多く、大きな時間ロスが発生していました。
在庫は注文後に慌てて確認するケースも多く、在庫不足による出荷遅延や、在庫があると思い込み誤って手配してしまうトラブルも発生。こうしたミスは得意先さま対応の負担を増やすだけではなく、信頼にも大きな影響を与えていました。以前は、2〜3ヶ月に1回の頻度で出荷ミスが発生している状況。本来、得意先さまにご迷惑をおかけすることは避けるべきですが、似た商品名も多いことで出荷ミスの原因となっていました。人の目だけで確認するには限界があり、ミスを完全に防ぐのは困難な状況でした。
誤出荷を防ぐために、出荷担当者・倉庫担当者・事務員の3名で出荷品のトリプルチェックを行うこともありましたが、その分他の業務が止まってしまいます。在庫管理・出荷は、得意先さまへの商品お届けに直結するため、運用や体制の見直しも急務でした。
課題3:手書きの送り状 / 荷札シールからの脱却
出荷時の送り状 / 荷札シールは事務員2名が手書きで作成し、「商品名・数量・住所」などを記載して倉庫担当者へ渡す運用でした。手書き作業により、作成に時間がかかり、スピーディーな出荷指示が難しい状況に。
旧システムでは納品書の作成にも時間がかかり、地元の得意先さまには金額を記載していない「出荷案内書」を手書きで作成・送付し、後日納品書を作成して送付するという二重作業が発生していました。得意先さまには確認の二度手間・負担をかけ、「出荷案内書と納品書の照合が面倒だ」といった声も多くありました。
さらに、旧システムが使用できるPCは事務所に1台のみで、複数人での同時利用ができませんでした。例えば、1人が入金処理中の場合は、その処理が終わるまでPCを触れないので作業が止まる非効率な状況に。業務の並行処理ができず、作業の順番待ちが常態化していました。スピード感のある処理ができず、顧客満足度にも影響していたと思います。
「3つの課題」を解決する『ターコイズ販売管理 V5 クラウド / 検品君』
-採用の決め手を教えてください-
グループ会社がすでにHCSさんの『ターコイズ販売管理』を導入しており、成功事例があったことです。実際に近い業種・業態での導入実績があるという点は、安心感と信頼性の面で非常に大きな後押しとなりました。
旧システムに負担を感じていた事務員からは「繁忙期にかかってもいいから、1日でも早く導入してほしい」という強い要望があり、社内でも導入時期を検討しました。入社間もないスタッフもいる中での導入でしたが、HCSさんの手厚いサポートのおかげもあり、無事システム刷新を実現。おかげで繁忙期を乗り越えることができたので、思い切って刷新して良かったと思います。

サポート課 間坂 涼子 様
『ターコイズ販売管理 V5 クラウド』の詳細を見てみる >>
導入効果・メリット
-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:売上伝票作成のスピード向上!
導入後は、得意先コードや得意先別の販売単価が自動表示されるため、入力項目が減り、伝票作成がスムーズに。得意先さま情報はシステムで一元管理され、紙の単価表やリストを確認する必要がなくなりました。商品コードも整備され、伝票作成時の手間は大きく軽減されています。
以前は1枚の納品書を作成するのに手入力作業、紙での確認作業が何度も発生していましたが、導入後はゼロに。必要な情報はすべてシステムに登録されているため、スムーズに業務を進めることができます。導入前と比べて、業務のスピードと正確性は格段に向上したと思います。業務が止まる不安もなくなりました。
効果2:正確な在庫管理で誤出荷防止に
『検品君』の導入により、在庫管理の手間削減と精度向上を実現できました。在庫は、商品のバーコードを読み取るだけで入出庫が記録され、リアルタイムでの状況把握が可能に。
PCから誰でも自由に在庫確認できる環境が整い、確認の手間が大幅に削減。業務のスピードと正確性が向上し、無駄な移動も不要になりました。以前は急な電話で「在庫を見てほしい」と言われるたびに倉庫まで確認していましたが、今ではその必要がなくなり、本当に楽になりました。倉庫担当者・事務員ともに負担が軽減されています。
さらに、『検品君』は出荷ミスの防止にも大きな効果がありました。出荷時に商品バーコードをスキャンすることで、出荷商品が正しいかどうかをシステムが自動で判定。万が一、間違った商品をスキャンすると、エラー音と画面表示によりその場でミスに気づき、誤出荷を防げています。特に、新人の倉庫担当者にとっては、商品名と実物が一致しないことも多く、『検品君』のような仕組みによるサポートは非常に心強い存在です。人の目だけではどうしても見落としが発生する中、バーコードリーダーによる正確な読み取りで安心感と信頼性が生まれました。
以前は、誤出荷防止のために出荷作業に3名必要でしたが、現在は出荷担当者1名で対応可能に。『検品君』による最終チェックで十分な精度が確保でき、人の目によるトリプルチェックは不要になりました。事務員と倉庫担当者は本来の業務に集中できる環境が整いました。
『検品君』導入後、出荷ミスはゼロ、クレームも発生していません。現在も「読み取りミスがないか」といった不安から、在庫確認や出荷時の目視確認は継続しています。今後は読み取りに慣れ、 精度を高めて徐々に目視確認はなくしていきたいです。担当者のさらなる負担軽減を期待しています。
その他にも、在庫情報は生産計画にも活用可能に。以前は、前年度の売り上げデータを出力して加工するにも一苦労でしたが、今では事務員や管理者が在庫の動きを把握しやすくなったことで、次の生産タイミングを見極めやすくなり、生産計画の作成がスムーズに行えます。
効果3:手書き運用の廃止で、納品書発行が最長7日→即日対応!
送り状 / 荷札シールはボタン1つで出力できるようになり、手書き作業は完全に不要となりました。これにより作成時間が大幅に削減され、注文にも迅速に対応できる体制が整いました。注文当日に、売上伝票 / 納品書 / 送り状 / 荷札シールの発行が可能となり、伝票が溜まることもなくなりました。
旧システムでは納品書作成に時間がかかるため、地元企業への出荷時には「出荷案内書」を送付していましたが、導入後は『ターコイズ販売管理 V5 クラウド』の売上伝票をもとに納品書をすぐに出力できるようになり、「出荷案内書」の運用を廃止。納品書1枚での対応に統一できました。
注文を受けたときは、「できるだけ早く出荷し、商品をお届けすること」が求められるため、納品書の作成は後回しになり、送付が最大で7日間ほど遅れることもありました。そのため「いつ納品書が届くのか?」という問い合わせも多く発生していましたが、現在はその日のうちに納品書作成・発行が可能になり、問い合わせはゼロに。手書き作業の廃止と納品書の即日発行で、事務員の負担軽減だけではなく、得意先さまの確認作業も簡素化され、満足度と信頼性の向上も実現できたと感じます。
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今後の展望
-今後、取り組みたいことをお聞かせください-
今回のシステム刷新と運用の見直しで、業務効率化と担当者の負担軽減が実現しましたが、これはあくまでスタート地点だと思っています。今後はシステムが持つ本来の力を最大限に発揮できるよう、引き続き運用体制の改善と社内の活用レベル向上を進めていきたいです。
例えば「倉庫担当者のシステム活用」について、現在は送り状を事務員が倉庫担当者へ都度手渡ししていますが、今後は「事務員は事務所内から動かない運用」を目指し、プリンタの設置場所や出荷指示の流れを改善したいです。また、倉庫担当者もシステムを活用できる体制を整え、業務の効率化を図りたいです。さらに、事務員が営業サポート業務にも積極的に取り組めるよう、見積業務の効率化なども進めたいです。
今回のシステム刷新によって業務の土台が整ったので、今後はさらなる最適化を目指し、継続的な運用改善と社内体制の強化に取り組みたいです。
-インタビューにご協力いただきありがとうございました-

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導入サービス
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- 効果
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- 導入サービス:ターコイズ販売管理システム
- 課題
- (1)納期遵守のための生産進捗把握
(2)情報が乱立する複雑なシステムからの脱却
(3)在庫の適正化と棚卸作業の効率化
- 効果
- (1)現場への進捗確認作業が大幅削減!
(2)誰でも分かりやすいシステムで負担軽減
(3)リアルタイム在庫確認で業務効率UP!
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- 導入サービス:ターコイズ販売管理 V5 クラウド
- 課題
- (1)環境変化に適応できるシステムの導入
(2)満足のいくサポート体制
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- (1)データ活用と共有で業務スピードUP
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