出荷作業時間50%削減、待機時間も短縮!使いやすいシステムで従業員満足度UP
事例|製造業における販売管理業務の効率化方法とは?
公開日: 2025.04.01
HCSNewsLetter 第246号
取材協力
取締役 業務統括部長 津田 朋彦 様
取締役 営業部 部長 山本 進 様
富山製紙株式会社様について
[所在地]
富山県富山市下新西町3番14号
[事業概要]
段ボール中芯原紙および、紙管原紙の製造・販売。
制度改正への対応をきっかけに、システムや業務の潜在的な課題に取り組むことに。ビジネスの変化に対応でき、安心のサポートで、業務効率化を実現できる『ターコイズ販売管理 V5 クラウド』を導入しました。
1次ステップでは、旧システムの踏襲と出荷業務の改善に注力し、作業時間の短縮や従業員満足度の向上を実現できた事例をご紹介します。
- 課題
- (1)柔軟性 / 拡張性の高いシステムの導入
(2)出荷作業の効率化とドライバーの待ち時間軽減
(3)販売管理業務の標準化と属人化解消
- 効果
- (1)安心して使い続けられるシステムが実現
(2)出荷作業時間を50%削減!
(3)残業時間の削減、休暇日数の増加で従業員満足度UP!
目次
販売管理業務の効率化を実現するための「3つの課題」

取締役 業務統括部長 津田 朋彦 様
-検討のきっかけを教えてください-
インボイス制度への対応が必要となったことがきっかけです。制度改正に対応すべく、旧ベンダーと打ち合わせを行いましたが、「今のシステムでは対応できない」と言われ、以前のシステムを使い続けることに限界を感じ、新システムの導入を検討しました。
導入検討する中で、”システムの拡張性の低さ”、”二度手間で業務が非効率”、”特定の人しか分からない業務が発生”など、以前のシステムに対する課題にも取り組むことに。
次の世代のためにも、「誰でも使いやすく、スムーズで柔軟な対応が可能なシステムを導入すべき」と決心しました。新システム導入により、今後の制度改正への対応や将来の拡張性を確保し、業務効率化が図れることを期待しました。
-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:柔軟性 / 拡張性の高いシステムの導入
以前の販売管理システムは約50年間使用しており、運用変化などに柔軟に対応するために、カスタマイズを重ねた結果、システムが「つぎはぎ状態」に。その結果、業務毎の二重入力が発生したり、Excel・紙での運用カバーが必要になったりと非効率な業務も発生していました。
経理システムなどの他業務システムと連携できないシステム構造だったので、拡張性の面でも不安がありました。
また、旧ベンダーの体制が変わり、少人数で運営されていたため、将来性に対する不安も増していました。問い合わせ時の回答に時間がかかり、その間業務が止まってしまうこともあったので、非常に困っていました。時には、システムの不具合により出荷作業に来たドライバーを半日以上お待たせしてしまい、大変なご迷惑をおかけしてしまうこともありましたね。
当社は、”お客さまや仕入れ先など、当社にかかわるすべての人々を大切に” という企業風土を大切にしているので、当社の思いには合わないシステムでした。
さらに、以前のシステムは仕様書もなくブラックボックス化しており、特定のベンダー以外誰もシステムの詳細を把握していない状態も潜在的な課題でした。また、機能追加に制限があり、新しい機能の追加やシステムの改修が難しく、将来のビジネスニーズに対応できない不安があり、今後の継続利用が難しいと判断しました。
課題2:出荷作業の効率化とドライバーの待ち時間軽減
以前は出荷作業時に、スリッター品※1の出荷伝票を手入力で作成していたので、時間がかかり非常に苦労していました。
出荷時は、①レッテル※2のバーコードを1枚ずつ読み取る②出荷伝票をシステムで作成する③出荷伝票をドライバーに渡す、の大きく3つの作業を行います。①の作業時、スリッター品があると出荷作業に非常に時間がかかっていました。以前は、スリッター品の製造番号を1つ1つ手入力していました。1度の出荷で、多い時には「 587製品 」ほどのスリッター品が出荷されます。
※1:製紙業における「スリッター品」とは、ロール状の紙やフィルムなどを、
指定の幅に切断し、再度ロール状に巻き取る加工(スリット加工)を施した製品
※2:一般的に、製品や部品に貼られるラベルやタグ
スリッター品の製造番号手入力により、出荷伝票作成にかなりの時間がかかり、トラックの入場から出荷までに40分~1時間以上かかることも頻繁にありました。製品のトラック積み込み作業も含めると、日によってはかなり長い時間ドライバーをお待たせする状態に。
当社は、”お客さまや仕入れ先など、当社にかかわるすべての人々を大切に”という強い思いがあります。「物流の2024年問題」もある中で、”ドライバーの待機時間”は非常に気がかりで、解決が急務でした。
また以前は、出荷時の照合作業に時間がかかっていました。出荷担当者は、誤出荷を防ぐために出荷製品と伝票の製造番号を照合しています。しかし、当社は24時間工場を稼働している関係上、夜間や出荷直前に製造した製造番号情報を、出荷担当者が把握できない場合もありました。製造番号が分からない場合は、出荷担当者が工場に行き、製造担当者に直接聞く必要があり、何度も事務所と工場を行き来することも。結果、トラックの出荷作業に時間がかかっていました。
24時間体制の生産状況を把握していたのは製造部のみ。営業や出荷担当者など、他の部署からリアルタイムで生産状況を把握できないのは、出荷業務に関わらず非効率だと感じていましたね。
課題3:販売管理業務の標準化と属人化解消
以前のシステムでは、業務によって異なる画面レイアウトで統一感がなく、入力するにもコツが必要で、担当者しか入力できず苦労することが多かったです。カスタマイズを重ね、「つぎはぎ」で作成された画面のため、別業務の担当者が見ても対応できないことが多く、業務の標準化が進まない原因に。特定の担当者に依存しているため属人化の問題があり、担当者が不在の場合はシステムの操作やトラブル対応が難しくなることもありました。
さらに、以前のシステムの締次更新にはバックアップテープを使用しており、更新作業に1時間半~2時間かかることも。その間システムは一切使用できないので、月に数回業務が止まってしまうことがありました。
また、更新後は取り消しが不可。更新の度に、事務所内で念入りなデータ確認を行う必要があり、精神的にも良くない作業でしたね。どうしても取り消しが必要な場合は、ベンダーに直接電話で連絡して対応してもらう必要がありましたが、スムーズに対応してもらえず、その間業務が止まってしまうなど課題がいくつもありました。これにより、非効率な業務が続いていました。
「3つの課題」を解決する『ターコイズ販売管理 V5 クラウド』
-採用の決め手を教えてください-
現状分析から業務効率化に向けて、親身に対応してくれることが決め手です。
新システムを構築するには、ある程度の人手や技術力があるパートナーが必要と考えました。HCSさんはその条件をクリアしており、当社のブラックボックス化していた複雑な現状システムを一から分析してくれました。また、様々な部署との会話やヒアリングを通して当社の運用を十分に把握してくれ、課題を明確にし、どのように改善していくべきかを提案してくれました。
「ターコイズ販売管理」は、現状のシステムを踏襲しつつ、将来の拡張性や業務効率化を図ることが期待でき、当社のニーズに合致。当社の目指す、”お客さまや仕入れ先など、当社にかかわるすべての人々を大切に”をシステムで達成できると感じました。
-工夫された点を教えてください-
今回、1次ステップ、2次ステップと分けて対応しました。1次ステップは、以前のシステムの内容を「ターコイズ販売管理」に踏襲し、問題なく業務をこなせるようにすることを目指しました。2次ステップは、業務効率化を目指しました。
一部、ドライバーにかかわる業務は早急に着手したく、今回の1次ステップで効率化を進めました。先行して取り組んだことで、出荷作業がスムーズになり、早期に効果を実感できています。
他にも、製品管理も一部早めに着手し、QRコードの導入を実施。製品の管理が簡単になるだけでなく、新規先獲得にもつながり、業務の効率化と新規獲得を実現できました。

取締役 営業部 部長 山本 進 様
導入効果・メリット
-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:安心して使い続けられるシステムが実現
システム導入後、それぞれの業務につながりができ、安心して使い続けることのできるシステムになったと実感しています。『ターコイズ販売管理』は、さまざまな制度改正や運用変化にも柔軟に対応できるので、今後の継続使用も安心。
以前は、「つぎはぎ状態」のシステムで、業務毎の二重入力や、他システムへの転記作業など非効率業務が多くありました。システム導入後は、全体の業務につながりができ、作業がスムーズに行えるようになり、「つぎはぎ状態」は解消。経理システムなどの他業務システムとの連携も可能で、将来の拡張性に対する不安もなくなり、安心して使用できるようになりました。新しい機能の追加やシステムの改修が容易になると感じ、将来のビジネスニーズに対応できると考えています。
また、HCSさんは問い合わせ時のレスポンスも早いので、問い合わせ待ちで業務が止まることはなくなりました。担当者の方も親身に対応してくれるので、相談や要望も伝えやすい環境です。業務効率化につながるような提案もしてくれるので、2次ステップに向けてさらに効果を実感できるのではないかと期待しています。
そのほかにも、思わぬ効果がいくつもありました。『ターコイズ販売管理』を導入したことで、新しい印刷機や事務所で使用しているさまざまな機材の連携も柔軟に対応できるシステムになりました。以前のシステムでは、対応できなかったと思います。
システムを刷新し、「柔軟性 / 拡張性」が向上しただけでなく、問い合わせ時の丁寧でスムーズな対応を実現でき、思いもよらない大きな効果を感じることができているので、このタイミングでシステム刷新して本当に良かったです。
効果2:出荷作業時間を50%削減!
出荷伝票作成の時間が大幅に短縮され、トラックの出荷作業時間が1台あたり30分で完了するようになり、50%削減できました。
スリッター品に関しては、製造番号入力の作業がゼロになり、多い時で「 587製品 」ほどの製品入力作業に1時間以上かかっていたのが、たったの3分で完了。スリッター加工指示書番号を入力すると、関連する製品情報が自動入力できるようになりました。この点はシステム導入において大きなメリットと感じています。手入力の手間を省き、一度に30個以上の製品入力が可能になったことで、出荷伝票作成をスムーズに行えるように。その結果、ドライバーの待機時間を少しずつ短縮できるようになりました。
また、システム上で生産情報が見えるようになり、製造部以外の人も生産状況を把握できるようになりました。これにより、出荷時に工場や製造担当者への確認作業が不要に。出荷製品の製造番号照合もシステム上で確認が可能になり、工場への行き来の必要がなくなりました。結果、トラックの出荷作業がスムーズに進行し、出荷ミスを防ぎながら業務効率化を実現。製造部と出荷担当者との間で、情報共有がスムーズになり、大きなメリットを感じています。
他にも、請求書の作成も早くなり、確認も素早く可能になったので業務全体の効率化にもつながりました。
業務効率化や待機時間短縮に向けては、まだまだ対応が必要ですが、少しずつ効果を実感できています。”お客さまや仕入れ先など、当社にかかわるすべての人々を大切に”という当社の思いが早く形になるよう、今後も改善していきたいと思います。
効果3:残業時間の削減、休暇日数の増加で従業員満足度UP!
画面の統一性が向上し、初見でも対応できるくらいシンプルで分かりやすいシステム構築を達成。これにより、別業務の担当者でも対応が可能となり、業務の標準化を実現できました。特定の担当者に依存することなく、誰でもシステムを操作できるようになり、属人化の解消に。
営業部の担当部分は一部、担当者のみしか対応できない作業がありますが、基本的には似たようなレイアウト画面で簡単に操作可能なので誰でも触れます。異なる作業でも、入力項目などが一致していることも多く、直感的に操作ができるように。誰が見ても触れ、誰が見ても処理がわかるシステムになりました。システムに統一感が生まれ、安心感を実感。異なる画面で同じ操作方法を使えるため、作業の効率UPにもつながりました。
全ての業務で残業がほぼなくなり、労働環境の改善により、従業員の満足度向上につながったと思います。業務がシンプルになったことで楽になり、休暇できる日数も以前より増えました。今回のシステム導入が、働き方改革の後押しにもなりましたね。
今後の展望
-今後、取り組みたいことをお聞かせください-
今まさに、2次ステップに取り組もうとしています。2次ステップでは、「出荷作業のさらなる効率化、在庫情報のリアルタイムでの見える化」をテーマに進めていく予定です。2次ステップの成功に向けて、1人ひとりのアイディアが大事になってきます。大企業の効率化に100%追いつくことはできずとも、できる限り近づけるよう努力する必要があると思います。2次ステップでは、業務効率化を必ず実現していきたいです。
また、製造業では、DXや生産性向上の意識が高い一方で、総務・経理部門などの間接部門の効率化が後回しにされる傾向があります。当社もまさにその傾向にあり、総務・経理ではまだまだ紙やExcelでの運用も多いです。手作業や紙に慣れてしまっている部分も多いので、その意識も少しずつ変えていきたいと思います。
会社全体の業務や、別の部の業務を把握することで、属人化もさらに解消できると期待しています。2次ステップに向けてたくさんの構想があるので、一つずつ達成したいです。
-インタビューにご協力いただきありがとうございました-

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