システム統合で業務効率UP!受注3倍増を2/3の人数で達成した方法とは?
食品製造業における受注業務の効率化事例
公開日: 2024.09.02
HCSNewsLetter 第239号
取材協力
代表取締役 堀 初治 様
総務部 課長 中原 博和 様
株式会社ホリ乳業様について
[所在地]
石川県金沢市専光寺町ホ22-1
[事業概要]
牛乳、乳飲料、醗酵乳、乳清清涼飲料、乳等を主原料とする食品(ソフトクリームミックス)、洋生菓子などの製造・販売。
受注量増加に対応するため、複数システムにまたがっていた販売管理業務を『ターコイズ販売管理 V5 クラウド』導入により一元管理。さらに、受注業務の平準化と自動化で作業削減を実現し、ミスのない正確な運用で業務効率化に成功した事例をご紹介します。
- 課題
- (1)需要増に応じられる体制の構築
(2)煩雑な受注業務の見直し
(3)「配送員だけが知る情報」の解消
- 効果
- (1)情報の一元化と自動化で二度手間撤廃
(2)配送員の受注処理時間がゼロに
(3)スムーズな請求処理が可能に
目次
販売管理業務の最適化を実現するための「3つの課題」
総務部 課長 中原 博和 様
-検討のきっかけを教えてください-
当社への受注が年々増加してきたことがきっかけです。健康志向の高まりにより、全国的にヨーグルト製品の需要が増加。さらに、春と秋には普段の倍以上の発注が小売店様からあり、製造・販売が追い付かない状況でした。
取引先からの高まる需要に応えるため、新工場設立を計画。生産能力向上により、さらに受注が拡大すれば事務処理が追い付かなくなるため、販売管理システムを刷新し業務効率化することを決めました。
-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:需要増に応じられる体制の構築
以前は、「受注→売上→請求」までの業務に3つのシステムを利用していました。各システムは連携しておらず、WEB注文を受けても受注や売上データなどを複数のシステムに転記入力する必要があり、二度手間が多い状況。スーパーなど、全国の小売店様から受注が増加している一方で、販売管理業務が受注増加に耐えられる運用ではありませんでした。
月5万件の受注を請求処理まで9人で対応。転記時の入力ミスにより、各データが一致しない場合は、突合処理に多くの時間を要していました。
さらに、請求書発行まで入力ミスに気付かないことも。お客さまからのご指摘で初めてミスに気づき、1か月分の納品レシートからデータを探し出し、再度請求処理を行っていました。請求業務を担当する事務員の負担が非常に大きかったです。
課題2:煩雑な受注業務の見直し
当社は、石川県内のスーパー・幼稚園・学校・病院などに、牛乳やヨーグルトなどをルート配送しています。配送員の業務が煩雑化していたのも問題でしたね。
当時は、事務員の他に、配送員も受注業務を担っていました。配送員が担当するのは、主にFAX注文。ルート配送の合間に、トラックの中でFAX注文書の内容をタブレットに手入力していました。配送員は15名いますが、1日1人あたり約400件のデータを入力。毎回1時間半ほどかかり、配送員にとっては大きな負担になっていました。配送員から不満も出ており、改善が急務でした。
課題3:「配送員だけが知る情報」の解消
配送員が口頭で受けた注文変更情報を、請求業務の担当者と共有できていませんでした。
基本、注文は事前に「FAX・電話・WEB」で受け付けています。注文の締め切り日時を設けていなかったので、納品時に口頭注文や変更を受ける場合もありました。しかし、変更分の注文書はもらわないので、請求業務の担当者が注文の変更内容を把握できず、「請求モレ」「過請求」が発生していました。
また、直前の注文変更は、商品の欠品や食品ロスに繋がります。特にヨーグルトは製造工程が長く、本来であれば、納品の2日前に注文を締め切らないと製造に間に合いません。お客さまの要望にできる限りお応えしたい思いがあり、何とか運用でカバーしてきましたが、受注量が増えた今では、食品ロス・欠品の観点でうまく回らなくなってきました。
「3つの課題」を解決する「ターコイズ販売管理 V5 クラウド」
-採用の決め手を教えてください-
「全てのデータが1つのシステムから出力可能」と説明いただいたことが決め手です。当社ではCSVを加工してデータ分析や共有を行っており、ボタン一つで必要なデータが出力できる点が非常に魅力的でした。
さらに、データ検索機能も優れており、複合検索によって業務効率が向上すると感じました。商品コードを覚えて検索、複数システム間の検索で一苦労、などの課題も「ターコイズ販売管理システム」の導入で解決できると思いました。
HCSさんは相談にもすぐに乗ってくれて、柔軟に対応してくれます。SEのサポートも丁寧でとても助かっています。
-工夫された点を教えてください-
データ自動取込やシステム統合による、転記・入力が不要となるようにしました。
当社は賞味期限が短く作り置きができない商品を取り扱っています。そのため、受注した商品のみを製造し、納品します。以前の運用では、転記・入力ミスが多発し、食品ロスや欠品が問題に。
できる限りミスのない正確なデータを登録・管理できるシステムを目指し、議論を重ねました。
導入効果・メリット
-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:情報の一元化と自動化で二度手間撤廃
新工場設立後、受注は3倍増に。旧システムでは事務処理が到底追いつかなかったはずです。新システムを導入して本当に良かったです。
EDIやWEB注文などのデジタル注文においては、「ターコイズ販売管理システム」側で受注データを自動取込みできるようにしました。FAXや電話などのアナログ注文においては、直接ターコイズ販売管理へ受注登録しています。一度受注データを取り込み・入力すれば、発注⇒売上⇒請求を一元管理。転記作業やデータ取込みの手間もゼロになり、事務員は皆喜んでいました。以前はシステム登録に9名以上必要でしたが、6名で済むようになりましたね。
また、新システム導入をきっかけに、アナログ注文をされていたお客さまにはWEB注文を推進。以前はアナログ注文とデジタル注文の割合が7:3でしたが、今では逆転しています。デジタル注文が増加することで、販売管理システムへの手入力をさらに減らすことができ、入力ミス削減につながっています。請求処理時の受注データ突合も迅速になり効率UPにも。お客さまには正確な請求書をお渡しできるようになりました。
検索が楽になったのも大きな利点です。商品名やお客様名での複合検索が可能になり、瞬時にデータを見つけることができ、情報共有がスムーズになりました。
今年10月から、大手小売店様の全店舗と直接取引を開始する予定です。これにより、さらに受注が増えることが見込まれます。新システムを導入したことで、業務や運用、役割の見直しができました。今後も増加する受注に柔軟に対応するため、引き続きターコイズ販売管理を活用していきたいと思います。
効果2:配送員の受注処理時間がゼロに
以前は配送員もルート配送の合間に受注登録をしていましたが、事務員のみで対応する運用に見直しました。配送員の負担は大幅に軽減。本来の業務に集中できる環境が整いました。配送員の職場環境に関する満足度が高まることで、お客さまへのサービス向上にも繋がってくると思います。
効果3:スムーズな請求処理が可能に
注文の受付窓口を事務員に一本化。「配送員だけが知っている」状況を改善することで、「請求モレ」「過請求」を防止することができます。
また、以前あいまいだった注文の締め切り日時を「納品2日前の14時まで」と設定。無理のない商品製造と、欠品・食品ロスの削減を実現できました。
今後の展望
-今後、取り組みたいことをお聞かせください-
まずはターコイズ販売管理でトレーサビリティシステムとしての運用を本格的に進めることです。食品製造業では品質と安全の確保が不可欠。そこで、受注増に対応できる迅速なトレースが可能な環境をターコイズ販売管理の活用で整えたいですね。
また、ターコイズ販売管理×生成AIを当社で活用し、業務効率化を実現できるのではないかと考えています。普段、販売管理システムを利用しない営業が、簡単な質問を投げかけるだけで売上実績の照会や分析ができれば非常に便利だと思います。複雑な売上資料の検索や加工にかかる時間を大幅に短縮し、業務負担の軽減を期待しています。どこまで実現できるかはまだ分かりませんが、取り組んでみる価値があると考えています。品質向上と業務効率化の両立を目指していきたいですね。
-インタビューにご協力いただきありがとうございました-
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- 効果
- (1)入力作業が1/3、データも正確に
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(3)情報一元化で状況を即時把握可能に