利用者さまと接する時間を最優先に!勤怠・シフト管理デジタル化による負担軽減策

事例|紙の勤怠簿管理を見直し、業務効率化を実現した方法とは?

公開日: 2025.01.06

HCSNewsLetter 第243号

取材協力

職員課 主任  大草 亮様

社会福祉法人陽風園様について

[所在地]
金沢市三口新町1丁目8番1号

[事業概要]
救護施設、高齢者施設、障害者施設、認定こども園等の施設運営のほか、居宅生活支援事業。

社会福祉法人陽風園様 Webサイト

 紙の勤怠簿や勤務表の管理に伴う記録・変更・集計の手間を改善するため、『介護・福祉向け勤怠管理システム』を導入。勤怠管理業務を効率化し、「職員の適正なマネジメント」や「職員の意識改善」を実現できた事例をご紹介します。

課題
(1)勤怠記録の効率化と見える化
(2)勤務変更と申請の手間削減
(3)勤務予定と実績チェックの自動化
効果
(1)職員の負担軽減と職員マネジメントの適正化
(2)シフト管理・休暇申請の負担軽減!
(3)月末業務を大幅削減!

目次

勤怠管理業務の最適化を実現するための「3つの課題」

職員課 主任 大草 亮 様

-検討のきっかけを教えてください-

 労務管理の観点から、紙台帳での管理は時代に合わず、情報の秘匿性や確実性を考えると脆い部分があると感じていました。そこで職員の動きや勤怠状況を一元化し、見える化するためには、システムの導入が必須だと考えたのがきっかけです。

 

 

 また、当法人の勤怠管理では手作業が多かったため、職員に多くの手間と負担がかかっていました。当法人のような介護福祉業界では、人の手でしかできない業務にリソースを割くことが特に重要です。

 

 そこで、事務作業にかかる時間や労力をITの活用によりできるだけ簡略化し、入所待機者/利用者さまと関わる時間を増やしたいと考えました。

-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:勤怠記録の効率化と見える化

 「出勤簿」「出退勤簿」の2種類の紙台帳で勤務実績を管理していたため、職員に記録の手間と負担がかかっていました。


 「出勤簿」では、各職員が出勤時にハンコを押し、出勤記録を管理。「出退勤簿」では、入館・出勤・退勤・退館時刻を手書きで記入し、勤務時間を管理していました。出勤時は、押印と出勤時刻の記入といった、重複する作業が発生。

 

 さらに施設によっては、2種類の勤怠簿の管理場所が各施設1階の事務所だったため、勤怠状況を記録する際は、必ず事務所に寄る必要がありました。職員にとっては、面倒な運用でした。

 

 紙運用は、管理者にとっても時代に合わない運用でした。「どの業務で、誰が、どれだけ時間外勤務しているのか」といった、職員の勤務状況を把握できないため、適切なマネジメントをしにくかったと思います。

 

 監査や労基対応もあるため、確実な勤怠管理が必要でした。

課題2:勤務変更と申請の手間削減

 介護・福祉サービスの提供にあたり、職種ごとに最低限必要な勤務人数が決められています。そのため、勤務表作成や勤務変更の際に、必要な勤務体制を考慮することはとても重要です。当法人では施設によって、勤務体制の調整を生活相談員が担っています。

 

 勤務変更は3日に1回程度、高頻度で発生します。勤務変更の理由は、「(育児や介護など)家庭の事情で勤務日を変更したい」、「感染症にかかり、しばらく出勤できない」など、様々。そのたびに生活相談員は、職員から勤務変更の相談を受けます。必要体制や加算チェックなど、考慮する項目が多々あり、必要な勤務体制を調整するには手間と負担がかかっていました。

 

 生活相談員にとって、本来の役割は「入所待機者さまのご家族と話しながら、入所手続きを進めていくこと」です。入所待機者さまや利用者さまと関わる時間が、とても重要であり、シフト管理などの事務作業に多くの時間が割かれるのは避けなければなりません。

 

 また、紙の申請書を使っていたため、勤務変更や休暇取得の申請に関しても多くの課題がありました。

 

 1つ目は、申請手続きの手間です。勤務変更や休暇取得の承認を得るために、施設内にいる上長を探しまわることも。申請作業にはかなりの時間がかかっていました。

 

 2つ目は、有給取得しにくい環境です。勤務変更が伴う届け出の場合は、勤務体制の調整が必要になるため、事前に生活相談員に相談する必要があります。しかし、生活相談員は業務で忙しく、届け出する側は申し訳ない気持ちで休暇取得を遠慮することも。

 

 3つ目は、有給残数が見えないことです。職員が自分の有給残数を確認するには、年休簿が管理されている事務所まで足を運ぶ必要があったので、確認するのもかなり面倒でした。

課題3:勤務予定と実績チェックの自動化

 勤務予定にまつわる勤務表・勤務交代/休暇申請書と、勤務実績にまつわる出勤簿/出退勤簿は全て紙で管理していました。勤務予定と実績の整合性チェックの際は、目視で予定表と実績表を行ったり来たりし、1名ずつ確認する必要が。毎月、かなりの手間と時間がかかっていました。

 

 さらに、勤務時間の集計や給与計算も手作業でした。当法人の職員約500人分を、労務担当者3名が約1週間かけて対応。紙の管理簿から必要な情報を手作業で拾い上げるので、月末締め後に業務が集中し、労務担当者は毎月苦労していました。

 

 年末調整や賞与の対応が必要な月は、さらに時間に追われて大変でしたね。勤務時間の集計や給与計算は、職員の給与にも直接影響するため、労務担当者の精神的な負担はかなり大きかったと思います。

「3つの課題」を解決する「介護・福祉向け勤怠管理システム」

-採用の決め手を教えてください-

 HCSさんに対する「信頼」が決め手です。

 

 これまで、様々なIT機器やシステムの相談に親切に対応してくれ、当社の特徴や実態をよく把握してくれているので、導入時の安心感が非常に大きかったです。

 

 特に安心できる点としては、HCSさんには介護業務に精通している社員も多く、充実したサポートをしてくれます。また、地域密着型のため、困ったことがあればすぐに相談でき、担当の方が迅速に駆けつけて対応してくれるのも大変ありがたいですね。

 

 今回導入したシステムも、介護業界に特化しており、就業情報を一元管理することで業務効率化が期待できると判断しました。現場の声を積極的に聞いてもらえるので、業務効率化の観点では今後に期待できるシステムだと感じました。

導入効果・メリット

-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:職員の負担軽減と職員マネジメントの適正化

 導入後、紙の勤怠簿を廃止。各職員にICチップ付きのカードを配付し、入退館場所や各フロアで打刻できるようにしました。職員は、1階の事務所に立ち寄る必要がなくなり、勤怠記録の手間と負担がゼロに。

 

 システムを導入することで、「正確な勤怠記録/申請」に対する、職員の意識も高まっていると感じています。

 

 管理者側のメリットも大きいです。紙の管理簿では見えなかった、勤務状況を正確に把握できるようになりました。「どの業務で、誰が、どれだけ時間外勤務しているか」を分析することで、「対象職員の業務を減らし、他の職員に回す」「業務を効率化できないか関係職員と話し合う」など、改善に向けて具体的に動き出しやすくなったと思います。

 

 勤務記録を手書きではなく、システムで正確に管理できるようになりました。確実な根拠データを残せるようになったのは、大きな効果の一つだと思います。システムを導入していると、監督署のチェックもスムーズで、外部からも信頼されていると実感できます。

効果2:シフト管理・休暇申請の負担軽減!

 紙の勤務表を廃止し、勤務予定表はシステムで管理。勤務変更時、生活相談員は、常に最新の情報を見ながら勤務体制を調整できるようになりました。また、勤務交代や休暇取得の申請が承認されると同時に、自動で勤務予定表に勤務変更内容が反映されるように。生活相談員の勤務変更対応にかかる負担が半分に減ったと思います。

 

 時間的な効率化も実現でき、介護福祉サービスにおける本来の役割である「入所待機者/利用者さまやそのご家族との関り」により多くの時間を割けるようになりました。今回の業務効率化が、当法人の介護福祉サービス向上につながっていくと思います。

 

 また、職員の負担になっていた、申請の手間もなくなりました。

 

 職員はパソコン一つで勤務交代や休暇申請できるように。申請時に上長を探しまわる手間がゼロになりました。申請作業がしやすくなったこと、生活相談員の負担が軽減され勤務変更の相談がしやすくなったこともあり、以前のような休暇取得時のためらいは軽減できていると思います。

 

 紙の年休簿を廃止し、休暇申請時にシステム上で有給残日数を確認できるので非常に便利に。職員は、計画的に休みを取りやすく、以前より遥かに仕事とプライベートとのバランスを取りやすくなりました。有給取得率がアップし、効果を実感しています。

 

 管理側のメリットとしては、職員の有給取得数を把握できるようになったことですね。有給の取得数を可視化することで、対象職員・部署に対して個別に取得を促せるようになりました。公正・公平な職場づくりに向けて第一歩を踏み出せたと思います。

効果3:月末業務を大幅削減!

 紙の勤務表や申請書、出勤簿/出退勤簿を廃止し、毎月の勤務予定と実績の整合性チェックは自動化。最後は人の目でエラーが発生していないか最終チェックするだけのため、かなりの業務効率化が達成できました。

 

 労務担当者の負担が大きかった、「勤務時間の集計」も自動化。給与システムへ取り込むデータもシステム側で出力できるように。勤怠・労務管理に関する月次処理を90%以上削減できました。空いた時間は職員の育成等、他の業務に充てています。月末締め後の業務ピークを回避でき、労務担当者は精神的な負担からも解放されたと思います。

 

 職場環境を整えることで職員の気持ちに余裕が生まれ、職員間の思いやりも高まってきたと感じています。人と人とが一緒に働いているので、利用者さまに向けてだけではなく職員同士の思いやり精神は重要。また、上司に働き方を見てもらいながら働けるのは、職員にとって安心感やモチベーションアップにつながっていると思いますね。

今後の展望

-今後、取り組みたいことをお聞かせください-

 頻繁にある制度改正に柔軟に対応できるよう、システムや運用をより改善し、職員が安心して働ける環境づくりを引き続き行っていきたいですね。

 

 また、HCSさんから既に導入している、給与システムや人事管理システムと勤怠管理システムを連携させて、社内情報を一元管理し、今まで苦労していた事務作業のさらなる効率化を図りたいです。

-インタビューにご協力いただきありがとうございました-

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