作業時間を50%削減する、電子帳票の活用方法とは?

保守点検の効率化・ペーパーレス事例|タブレット利用でチェックリストを電子化

公開日: 2023.05.01

HCSNewsLetter 第223号

取材協力

営業部 営業課 主任 黒田 光彦 様
           竹内 祐介 様

昭和酸素株式会社様について

[所在地]
富山県富山市高木2000番地

[事業概要]
圧縮ガス・液化ガスの販売、溶接・溶断・工作機械及び溶接材料・工具の販売、高圧ガス配管の設計・施工、公害除去装置設備の販売など

昭和酸素株式会社様 Webサイト

社員の業務効率化とペーパーレスを目指し、「手書き帳票の電子化システム」を導入。ガス保安点検業務の時間削減を実現し、働き方改善に成功した事例をご紹介します

課題
(1)紙の点検表をWord/Excelへ転記する作業に時間がかかる
(2)点検作業に必要な帳票が多く、大量の紙が発生
(3)点検項目数が多く、転記・入力ミスが発生
効果
(1)帰社後の作業時間を約50%削減可能に
(2)点検作業に必要な紙を電子化し、ペーパーレスに
(3)転記・入力ミスを防止し、省力化・作業標準化に

目次

業務効率化を実現するための「3つの課題」

営業部営業課主任 黒田 光彦

-検討のきっかけを教えてください-

 社内で「働き方改革」や「ペーパーレス化」の必要性が高まったのがきっかけです。ガス保安業務においては、煩わしい作業の削減や作業標準化などに注目し、業務改善を進めました。

-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:紙の点検表をWord/Excelへ転記する作業に時間がかかる

 当社は、病院の医療ガス(※)設備の点検業務を行っています。医療ガスの圧力や、流量の数値などを紙の点検表に手書きで記入し、値に問題がないかを確認。会社に戻り、点検表の内容をWord/Excelへ転記し、お客さまへの報告用と社内控え用の帳票を作成・印刷していました。

 点検項目は、病院の設備によって異なりますが、多いところでは300個ほどあります。転記作業には、毎回30分~1時間ほどかかり、一人で行うため大変です。

 また、報告書には撮影した点検箇所の写真を添付します。これまでは、スマートフォンで撮影した写真をPCに取り込む必要があり、負担でした。

 

  ※医療ガスとは
   医療機関(病院、クリニック、介護施設等)で医療用や機器の検査用に使用するガス

課題2:点検作業に必要な帳票が多く、大量の紙が発生

 多いところでは一先で点検項目が約300個もあり、点検表の枚数は10~20枚ほどになっていました。点検先は20件ほどあり、それぞれ年1~4回ほどのサイクルで点検するので、点検時に必要な紙帳票だけでかなりの量が発生していましたね。

 Word/Excelへ転記した後、社内控えとして正式版を印刷し紙で保管します。保管する紙は削減できない中で、できるだけ紙を減らしたいと思っていました。

 

課題3:点検項目数が多く、転記・入力ミスが発生

 点検の項目数が多く、転記・記入ミスが発生することがありました。

 点検作業時には、点検表にペンで記入していきます。転記作業の時には、点検表を確認しながら入力を行いますが、項目欄がズレたり、数値の転記ミスをしたりしてしまうこともありました。気づいた時点で修正を行いますが、確認や打ち直しの作業が発生し、二度手間になることもあります。経験豊富な社員であれば、すぐに気づくことができますが、経験の少ない若手の社員は、印刷してから気づくことも。何度も印刷し直すなど、手戻りが多くありました。

 また、点検結果を正しく把握し、お客さまへ正しく報告するためには報告書の質は下げられません。ミスなく作成できる方法が必要だと感じていました。

「3つの課題」を解決する「TQ-Reporter」

-採用の決め手を教えてください-

 決め手は、業務への「フィット感」です。

 保安業務で行う報告書の作成に課題を感じ、業務改善のためHCSさんに相談。弊社の業務に活用できるサービスとして「TQ-Reporter」をご紹介いただきました。トライアルで帳票を数枚作成し使用してみたところ、入力もスムーズにでき、業務改善に活用できるサービスだと効果を実感しました。合わせてペーパーレスも実現できる点も、ポイントでしたね。

-工夫した点を教えてください-

 撮影した写真をその場ですぐに、帳票へ挿入できるようにしました。帳票には写真を添付する欄を作成します。そして、TQ-Reporterの入力支援機能の一つである「画像取り込み」を活用し、タブレットで撮影した現場の写真をその場ですぐに挿入できるようにしました。以前は写真の差し入れ間違いなども発生していましたが、その場ですぐに報告書に添付できるようになったので、間違える心配もありません。画像を取り込む作業もゼロで、手間もなくなりました。

 

 点検表には、前回の点検結果が表示されるように設定しました。前回の値と比較し、設備に異常がないか一目で判断することができます。以前のように、わざわざ前回の点検表を印刷し、現場に持って行く必要はありません。

 点検作業が終わると、お客さまに提出する「報告書」に点検データが自動反映されるので、これまでのように帰社後再度入力することなく、報告書の作成が完了します。二度手間がなく、点検もスムーズに行えるようにしました。

営業部営業課 竹内 祐介

導入効果・メリット

-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:帰社後の作業時間を約50%削減可能に

 帰社後に行っていた作業の時間を、約50%削減することができました。これまで行っていた紙からWord/Excelへの転記作業は、今ではゼロです。まだ、フォントの調整や確認作業などの軽微な作業は残っていますが、作業時間が格段に減ったのでとても助かっています。

 また、たくさんある数値項目の入力や、写真を取込む作業の手間もなくすことができました。とても便利ですね。

効果2:点検作業に必要な紙を電子化し、ペーパーレスに

 点検作業に必要な紙を減らすことができました。これまで一度の作業で10~20枚使用していましたが、現場での点検結果はタブレットに入力するので紙が不要に。点検業務のペーパーレスにつながりました。

 また、外出前に点検表を印刷する作業もなくなりました。事前準備の時間短縮にもなっていると思います。

効果3:転記・入力ミスを防止し、省力化・作業標準化に

 転記作業がなくなったことで、転記・入力ミスを防止することができています。転記することで発生する、入力項目欄のズレや数値の入力間違いの心配もなくなりました。修正作業もなくなり、手戻りもなくせていますね。

 また、ミスを防止できるようになったことで、報告書の正確性も保障できます。慣れていない新人や新しく業務に関わる社員も、確実に作業できる環境になり、作業標準化につながったと思いますね。

今後の展望

今後、取り組みたいことを教えてください

 お客さまの設備環境の変更により、点検表の個別変更が必要なところも出てきています。しかし、点検項目が多いこともあり、業務の合間に帳票の様式変更を行うのは難しい状況です。HCSさんに支援してもらいながら、改善していきたいと思います。

 また、担当者の異動などもあり、経験値に頼らず誰でも作業できる環境が必要になってきています。保安業務でTQ-Reporterを有効活用するのはもちろんのこと、他にも活用できそうな業務があるので、横展開することで、会社全体の作業効率化・標準化につなげていきたいですね。

-インタビューにご協力いただきありがとうございました-

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