二度手間ゼロで伝票作成スピードアップ!業務負担軽減で働きやすい環境へ

事例|卸売業における販売管理業務の効率化方法とは?

公開日: 2025.11.04

HCSNewsLetter 第253号

取材協力

代表取締役 松岡 大造 様
事務部   上田 香里 様
      岡﨑 春菜 様

中央商事株式会社様について

[所在地]
富山県富山市金屋767番地39

[事業概要]
包装資材・包装機器・物流機器・化成品・農業機械・業資材・環境設備・環境資材・掃除用品・荒物雑貨、及びそれらに付随する関連商品の企画と販売。

中央商事株式会社様 Webサイト

 売上画面やマスタ画面が1つしか開けず、業務間の連携もないため、伝票の二重入力や入力ミスが頻発し、非効率な業務が課題に。 『ターコイズ販売管理V5クラウド』 の導入で、伝票の参照 / 複写や業務間連携が可能となり、伝票作成スピードが大幅に向上。 業務の流れがスムーズになり、業務効率化と事務負担、精神的ストレスが大きく軽減された事例をご紹介します。

課題
(1)仕入 / 売上伝票の二重入力による業務ロスの軽減
(2)伝票作成時の入力ミスと請求漏れの防止
(3)毎日の締め作業からの解放
効果
(1)業務間連携により二重入力の撤廃
(2)注意事項の見える化で業務効率化
(3)分業体制で柔軟な運用へ

目次

販売管理業務の効率化と負担軽減を実現するための「3つの課題」

-検討のきっかけを教えてください-

 以前使用していた『ターコイズ販売管理V2』のサポート終了をきっかけに、今後の対応について検討を始めました。HCSさんから、①長年使い慣れた『ターコイズ販売管理V2』を更新する②新しい『ターコイズ販売管理V5クラウド』へ切り替える、という2つの選択肢を提案してもらい、社内で検討を進めることになりました。

 

 ちょうどその時期に、経理システムやハード機器、インフラ基盤の更新も重なっていたため、できるだけ費用を抑えながら、業務に支障が出ない方法を模索していました。長年利用してきた『ターコイズ販売管理V2』は、大部分をカスタマイズしていたこともあり、更新にはかなりの費用がかかることが判明。

 

 こうした背景を踏まえ、HCSさんから『ターコイズ販売管理V5クラウド』の導入が最適ではないかという提案を受け、機能面や費用面を踏まえて、導入を本格的に検討することになりました。

-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:仕入 / 売上伝票の二重入力による業務ロスの軽減

 日頃から、社員一人ひとりの業務負担を減らし、より働きやすい環境を整えたいという思いがありました。限られた人員体制の中で、業務の効率化を図りたいと考えていたものの、具体的にどこをどう改善すべきかについては、模索している状況でした。

 

 伝票作成においては、仕入 / 売上伝票の二重入力や、手書きの受注伝票による記入ミスなどが課題となっていました。発注時にはメーカーから得意先さまへの直送対応が発生することもあり、情報伝達の段階で数量の誤りなどが起こるケースも見受けられ、それが得意先さまとのトラブルにつながることも。こうしたトラブルにより、社内での調整や顧客対応に追われる場面が多く見られ、社員の負担になっていました。

 

〈事務部の課題〉

 特に大きな課題となっていたのが、仕入 / 売上伝票の二重入力です。販売管理業務を担当する事務員は4名と少人数で、限られた人員で業務をこなしていました。以前は「発注→仕入」や「受注→売上」といった、業務間のシステム連携がされておらず、同じ内容の伝票をそれぞれの作業で重複して入力する必要がありました。二重入力により、記入ミスや商品 / 数量の誤りが発生し、発注に関するトラブルにつながることも。その結果、再発注や追加発送などの余分な業務が発生したり、商品名や数量の修正 / 確認に余計に時間を取られたりと、事務員の負担が増加するケースも少なくありませんでした。こうした非効率な作業は、業務全体の負担となっており、改善すべき課題だと感じていました。

 

 また、得意先さまからの注文は、電話やFAX 、メールなど多様な手段で受け付けています。中には、得意先さまの発注システムに当社がログインし、納品情報を直接入力するケースもあります。注文内容は「受注メモ」と呼ばれる手書きの伝票に記録し、注文書には品番や単価を追記したうえで、見積書と一緒にファイリングして事務所に保管しています。手書きでの対応には課題もあり、電話注文の際に聞き漏れが発生したり、記入ミスが起こったり、トラブルにつながる場面も多々ありました。

 

 さらに、当時は過去の伝票を参照 / 複写する機能がなかったため、前回と同じ内容の発注であっても、毎回一から入力する必要があり、その作業が非常に手間でした。売上伝票も同様で、よく売れている商品の摘要や担当者名を都度手入力する作業が発生し、事務員にとって大きな負担となっていました。

課題2:伝票作成時の入力ミスと請求漏れの防止

〈事務部の課題〉

 システムのバージョンアップ前は、作業画面を複数同時に開くことができず、常に1画面のみでの操作となる仕様でした。そのため、複数の情報を並べて確認しながら作業することができず、入力作業のたびに画面を切り替える必要がありました

 

 例えば発注業務では、発注伝票の入力時に「得意先別商品マスタ」との照合が必要です。「得意先別商品マスタ」には、価格改定情報や数量によって単価が変動する商品、梱包方法の指定など、注意すべき点が記載されています。当時、事務員はこれらの情報を手書きでメモし、「得意先別商品マスタ」画面を閉じた後に発注伝票の入力画面を開き、そのメモを見ながら入力作業を行っていました。このメモがないと、単価や梱包方法の入力ミスにつながる可能性があり、「得意先さまに迷惑をかけてはいけない」という強いプレッシャーの中で作業を進める必要がありました。事務員にとっては精神的な負担が大きく、業務の効率にも影響を及ぼしていました。

 

 また、仕入 / 売上伝票の入力作業でも、同様の手間が発生していました。過去の実績を確認しながら作業を進める必要がありますが、画面を同時に表示できないため、まずは過去の仕入伝票を表示して手書きで内容をメモし、その画面閉じてから仕入 / 売上入力画面を開き、メモを見ながら伝票入力するという作業が発生。こうした手間は業務効率を下げる要因となり、事務員の負担やストレスとなっていました。

 

 特に課題となっていたのが、運賃がかかる商品の請求漏れです。これらの商品には、価格に運賃が含まれているものと、別途運賃が発生するものの2種類があり、別途運賃が発生するものについては請求を忘れてしまうケースがありました。請求漏れが発生すると、納品書の差し替えのお願いする必要があり、得意先さまにご迷惑をおかけすることも。また、翌月に請求漏れが発覚した際は、請求書の訂正作業が発生し、余計な手間がかかっていました。

課題3:毎日の締め作業からの解放

〈事務部の課題〉

 以前のシステムでは、仕入 / 売上伝票を作成するたびに「日次更新処理」という締め作業が必要でした。締め作業は事務員2名で対応しており、その日に入力した、仕入 / 売上の合計金額が正確に合っているかを毎日確認し、「売上明細一覧表」と売上伝票の控えの合計金額が一致しているかを計算していました。1円でも誤差があると締め作業を完了できず、翌日の配達伝票の作成を始めることもできません。その結果、配達員を待たせてしまうことが度々ありました

 

 配達員を待たせれば待たせるほど迷惑をかけてしまうため、締め作業が思うように進まないと焦りが募り、精神的な負担も大きくなっていました。計算ミスが見つかると他の作業にも支障が出るため、「必ず金額を合わせなければならない」というプレッシャーとの戦いでした。

 

 また、締め作業が完了するまでは事務員2名ともの作業が滞ってしまうので、時間的にも精神的にも余裕が無くなる状況が続いていました。

「3つの課題」を解決する『ターコイズ販売管理V5クラウド』

-採用の決め手を教えてください-

 販売管理システムの切り替えにあたって、HCSさんの充実したサポート体制が大きな決め手です。

 

 HCSさんには、当社がオフィスコンピューターを使っていた頃から、20年以上にわたりお世話になっています。長年の付き合いの中で、当社の業務や運用をよく理解してくれ、安心感が大きく、何かあればすぐに相談できる関係です。そのため他社への乗り換えはまったく考えていませんでした。

 

 また、こちらからの要望や相談が曖昧な場合でも、しっかりと意図を汲み取って、最適な解決策を提案してもらえるので、いつも本当に助かっています。まさに「痒い所に手が届く」ような、きめ細やかな対応。導入時にも、当社の課題や不安に寄り添いながら、丁寧に説明してもらい、安心してお任せすることができました。

『ターコイズ販売管理 V5 クラウド』の詳細を見てみる >>

 

 

-工夫した点を教えてください-

 導入時の打ち合わせには、私だけでなく、営業や事務の社員にも参加してもらいました。これは、実際に普段システムを使う現場社員の意見や要望を積極的に取り入れたいという思いがあったからです。経営者の判断だけで進めるのではなく、現場の声を聞くことで、社員の考えや気持ちを理解する貴重な機会にもなりました。

 

 以前『ターコイズ販売管理V2』を導入した際も、更新のたびに社員全員で話し合いながら進めてきた経緯があり、今回も同様に、全員が納得できる形で導入を進めることを大切にしました。

 

 また、以前の販売管理システムが使えなくなることは決まっていたため、社員には早い段階から状況を共有し、本稼働日や新バージョンの操作に慣れてもらう必要性を伝えていました。運用テストの際には、社員全員に実際にシステムを使ってもらい、気づいたことや要望があればすぐに伝えられるような体制を整えることで、スムーズな移行を目指しました。

導入効果・メリット

-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:業務間連携により二重入力の撤廃

 

 『ターコイズ販売管理V5クラウド』の導入により、発注 / 受注 / 仕入 / 売上伝票の参照機能や、発注 / 売上伝票の複写機能が追加されました。さらに、今まで必要だった「日次更新処理」が廃止され、毎日の締め作業が不要になったことで、細かな利便性が大きく向上しました。これらの機能により、業務属人化の解消や事務員の負担軽減につながっています。

 

 『ターコイズ販売管理V5クラウド』のさらなる利便性向上を進め、社員にとってより使いやすいシステムへと改善し、” 働きやすい環境づくり ” に取り組みたいです。

 

〈事務部の業務改善効果〉

 発注 / 受注伝票を参照して、仕入 / 売上伝票を作成できるようになったことで、入力ミスが減少。受発注段階での伝票入力精度が向上し、業務全体を通してのミス防止にもつながっています。同一内容の伝票を二重に入力する手間や、売上時の手入力も不要となり、大幅な業務効率化を実現。売上 / 仕入伝票入力は毎日行う業務のため、この部分の効率化は非常に助かっています。

 

 また、「直送受注売上伝票」と呼ばれる、受注と発注を同時に入力できる機能も追加されました。発注時点での入力が正確であれば、その後の直送対応もスムーズに進められるようになっています。「受注メモ」と呼ばれる手書きの受注伝票については、得意先さまからFAXでお送りいただく注文書に手書きで書き加えて返信したり、電話での注文受付もあったりするため、今も変わらず利用しています。

 

 さらに、発注 / 受注 / 仕入 / 売上のすべての伝票を参照作成できるようになったことで、業務時間の大幅短縮が実現。特に発注時には、商品名を検索して過去の伝票をそのまま複写することが可能になり、売上時には、摘要や担当者名などの細かい情報を一から入力する必要がなくなりました。定期的に仕入れて在庫を持ち、発注数量が決まっているような商品についても、複写機能を利用することで、1件あたりの発注書作成にかかる時間が大幅に短縮され、日常の業務において非常に役立っています。

効果2:注意事項の見える化で業務効率化

 

〈事務部の業務改善効果〉

 導入後、売上画面を都度閉じる必要がなくなり、複数の画面を同時に表示できるようになりました。これにより、過去の売上伝票や他商品の情報を参照しながら、現在の売上伝票を作成することが可能となり、業務の正確性と効率が大きく向上しています。

 

 さらに、運賃がかかる商品の情報や、しばらく取引がなかった得意先の注意事項を表示してくれる機能も追加されました。注意事項は、対象項目にピンクの網掛け表示がされるため、注意点を見落とすことはほとんどありません。必要な情報を画面上で直接確認できるようになったことで、「運賃請求が必要かどうか」などのメモを取る手間がなくなり、伝票作成時の入力ミス防止にもつながっています。

 

 また、注意事項が明確に表示されることで、誰が発注業務を担当しても、価格変動や得意先さまへの個別対応の見落としが減り、属人化解消にもつながっています。結果として、作業時間の短縮と業務品質の向上が実現しました。

 

 特に課題となっていた、運賃が発生する商品の対応についても、注意事項の表示機能により請求漏れが大幅に減少。請求書の差し戻しが不要になったことで、得意先さまからの信頼性向上にもつながっていると感じています。

効果3:分業体制で柔軟な運用へ

 

〈事務部の業務改善効果〉

「日次更新処理」が廃止され、毎日の締め作業から解放されました。これまで毎日おこなっていた「売上明細一覧表」と、売上伝票控えの合計金額の照合が不要となり、「計算ミスをしてはいけない」、「配達員を待たせてはいけない」というプレッシャーも軽減。その結果、時間的な余裕が生まれ、精神的な負担も大きく改善されました。

 

 以前は、売上金額に計算ミスがあると、配達伝票を作成できず、業務が止まってしまうことがありました。今は、毎日締め作業を行う必要がなくなったことで、配達伝票を先に作成し、その後に「売上明細一覧表」と売上伝票控えの合計金額を照合することが可能になり、効率的に業務を進められています。

 

 また、金額が合わない場合でも、事務員2名がそれぞれの作業を分担できるようになり、一方が締め作業、もう一方が配達伝票の作成を進めるといった、分業体制を確立。これにより、業務が滞ることなくスムーズに進められるようになり、業務効率化につながっています。

『ターコイズ販売管理 V5 クラウド』の詳細を見てみる >>

 

今後の展望

今後、取り組みたいことを教えてください

 以前の『ターコイズ販売管理V2』では、何度もカスタマイズを重ねながら、当社の業務に合った使いやすさを追求してきました。そのため、今回の『ターコイズ販売管理V5クラウド』への移行にあたっては、画面レイアウトや運用が異なる部分が多少発生し、一部の社員にはまだ慣れない部分もあるようです。それでも、複写機能など新しい機能のおかげで、業務がより便利になったと実感しており、少しずつ定着し始めています。今後もHCSさんと相談しながら、少しずつバージョンアップを進め、社員にとってさらに使いやすいシステムへと改善していきたいと考えています。

 

 今回の導入をきっかけに、従業員満足度の向上と業務効率化の両立に、さらに力を入れていきたいと考えています。大手企業と比べると、情報やITの面ではまだまだ遅れていると感じることもありますが、限られた人員の中でも、一人ひとりの業務負担軽減や残業時間の削減に取り組むことが重要だと感じています。今後もHCSさんと連携しながら、現場の声を取り入れつつ改善を進めることで、社員が安心して働ける環境を整え、働きやすさと効率の両方を高めていくことを目指しています。

-インタビューにご協力いただきありがとうございました-

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