事業継続・発展を目指す、IT利活用方法とは?
コロナ・災害・サイバー攻撃などのリスクに備える、IT-BCP対策の成功事例
公開日: 2022.10.03
HCSNewsLetter 第216号
取材協力
鹿熊 忍 様
株式会社富山ゴム様について
[所在地]
富山県富山市四方荒屋142番地の17
[事業概要]
コンベアベルト等の機械器具の設置工事
工業用ゴム製品の販売、加工
創業以来、お客様のニーズに合わせたベルトコンベアの設計開発、製作、施工、アフターサービスを一貫して行う、株式会社富山ゴム様。事業継続上のリスクを分析し、IT利活用方法を見直すことで、 事業継続・発展の課題解決を実現した成功事例をご紹介いたします。
- 課題
- (1)受注拡大、新規顧客の開拓
(2)メール利用時の情報漏洩対策
(3)データ保管に対する災害への備え
- 効果
- (1)ホームページが新規顧客の呼び水に
(2)メールのセキュリティが強固に
(3)クラウド保管で災害対策は万全に
目次
社員のセキュリティ意識向上などを実現した、8の事例をダウンロード!
1.メール訓練とセミナーで社員のセキュリティ意識を向上させた方法
2.怪しいメールをブロック!万全なセキュリティ対策を実現した方法
3.サイバー攻撃メール訓練を効果的に行う3つの方法
4.365日24時間監視!「KAIZEN 活動」で顧客の信頼に繋げた方法
5.剱データセンター活用で、安心獲得と企業発展に繋げた方法
6.事務員負担なく、セキュアにマイナンバーの入力と管理を実現した方法
7.剱データセンター活用で、セキュアなネットワーク環境を構築した方法
8.持ち出しPCも常にセキュリティを確保できる方法
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事業活動の成長・発展のための「3つの課題」
-検討のきっかけを教えてください-
富山県中小企業リバイバル補助金の制度を知ったことがきっかけです。コロナ禍の影響を受け、事業活動の成長・発展のために対策が必要と考え、同制度を活用することにしました。対策の検討にあたっては、制度の主旨とも照らし合わせながら、「当社にとって事業継続する上での課題は何か?」を洗い出しました。着目点は、同制度の対象事業である「販路開拓・売上向上」と「DX推進」です。
-どのような課題をお持ちでしたか?-
課題1:受注拡大、新規顧客の開拓
コロナ禍における、お客様との接点創出が課題でした。営業活動が制限されるようになり、既存顧客の受注拡大や、新規顧客の開拓が進まなくなりました。対面でお客様との接点を創出することができなくなったためです。
そこで、対面以外で接点を創出する方法として、自社ホームページに着目しました。当時は、会社概要・事業内容・取扱製品に関する情報の質と量、鮮度が十分ではなく、営業ツールとして活用できる状態ではありませんでした。具体的には、文字だらけのページが多い、取扱製品は写真を掲載していないのでイメージが伝わらない、ホームページ開設時から情報を更新していない、といった具合です。
課題2:メール利用時の情報漏洩対策
以前、メールに添付するデータを暗号化するよう、お客様から要望がありましたが、フリーメールを使用していたため、できませんでした。また、見積書やCADデータをメールで送っていたため、社員からも「フリーメールの使用は、セキュリティ面で問題があるのでは?」との声がありました。重要データの漏洩は、企業の信用を失墜させる大きなリスクです。幸い事故は発生していませんが、メールのセキュリティ対策が急務でした。
課題3:データ保管に対する災害への備え
業務データは、本社設置のNASに保存しています。もし、本社が被災してNASが破損すると業務データが消失して、事業が継続できなくなる恐れがあります。
最近は全国各地で自然災害が発生しています。当社は海岸から約1kmの距離にあるので、津波被害が心配です。災害に備え、安全な場所に業務データを保管するべき、と考えました。
「3つの課題」を解決する「剱データセンターのクラウドサービス」
-採用の決め手を教えてください-
業者選定の条件は「3つの課題をすべて解決できること」と「何かあった時にすぐに来てもらえる身近な存在であること」。条件を満たすのはHCSさんだけでした。すべての課題をHCSさんのクラウドサービスで解決できるので、運用がシンプルです。セキュリティ対策と災害対策が万全なクラウド環境を利用できる点も、魅力的でしたね。
また、補助金申請も支援していただき、大変助かりました。
-工夫された点を教えてください-
ホームページについては、次の観点でお客様と当社の接点を創出する工夫をしました。
①写真をふんだんに掲載し、当社の事業内容や雰囲気、取扱製品をイメージで伝える
②取扱製品の専用ページを設け、各製品の用途・仕様など具体的な情報を発信する
③取扱製品をカテゴリごとに分類して情報を整理し、シンプルで見やすくする
④問い合わせフォーム・電話番号を目立たせ、お客様をお問い合わせに導く
メールのセキュリティについては、フリーメールを業務利用していたことに加え、アドレスを複数人で共用していたことも業務上の問題点でした。そこで、次の順に対応しました。
①当社の独自ドメインを取得
②メール利用者に個別のアドレスを配付
③メール誤送信・暗号化対策のためのクラウド型メールセキュリティサービスを導入
データ保管については、NASのデータをクラウドストレージにバックアップする方法を採用。業務上の重要データをバックアップするので、当社-クラウドストレージ間をVPN接続し、セキュリティ面での安全性を確保しました。
取扱製品専用ページ
導入効果・メリット
-取り組みの効果はいかがでしたか?-
効果1:ホームページが新規顧客の呼び水に
リニューアルから約半年後、ホームページを見た新規のお客様から、お問い合わせをいただきました。これまで、「ホームページを見た」というお客様からのお問い合わせなどなかったため、当社の認知度が向上した実感を得られました。既存のお客様からも「ホームページが良くなった」と評価していただける機会が多くなり、満足しています。
効果2:メールのセキュリティが強固に
メール全般のセキュリティ対策が強固になり、安心してメールが利用できる環境になりました。採用したメールセキュリティサービスは、誤送信防止や暗号化の機能はもちろん、迷惑メールの隔離機能も備わっています。以前は迷惑メールが多くて対処に困っていましたが、おかげで随分件数が減り、助かっています。
効果3:クラウド保管で災害対策は万全に
クラウドストレージへのバックアップにより、災害による業務データ消失のリスクを軽減することができました。NASの使い勝手は変わらないので、利用者に負担をかけることなくバックアップ対策を実現できた点も、メリットだったと感じています。
今後の展望
-今後の展望を教えてください-
取扱製品の中には、当社で在庫を保有している製品もあり、ホームページで在庫数を表示する機能が備わっています。ホームページを活用した受注拡大の取り組みは、下地ができました。今後はホームページと販売管理システムとの連携も検討したいです。そして、ビジネスのスピードを加速させ、受注拡大や顧客満足度の向上につなげ、事業を継続・発展させたいです。
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