自動化で作業時間を87%短縮!RPAに向いている業務とは?

RPAによる生産管理の事務作業効率化の事例

公開日: 2021.10.01

HCSNewsLetter 第204号

取材協力

総務部総務課長 永江 憲映 様
総務部総務課  松川 昭雄 様

コマツキカイ株式会社様について

[所在地]
石川県小松市矢田野町西32-1

[事業概要]
建設機械、鉱山機械、輸送機械、農業機械の部品製造

コマツキカイ株式会社様 Webサイト

建設機械、産業機械、工作機械および輸送機械向けの各種部品を製造するコマツキカイ株式会社様。
生産管理の事務作業を効率化するための課題をどのように解決し、どのような効果が得られたのか?その詳細をご紹介します。

課題
(1)作業負荷軽減
(2)煩雑な定型作業の改善
(3)作業手順の統一化
効果
(1)月間176分の作業を22分に短縮
(2)ヒューマンエラーの抑止
(3)工場間の作業手順の統一化

業務効率化のための「3つの課題」

課題1:得意先・仕入先数増による作業負荷を軽減したい

 以前は特定の得意先とのお取引が売上全体の8割を占めていて、景気変動等による受注量増減の影響を受けやすい状況に危機感を抱いていました。その状況を変えるべく、県内外問わず営業活動を重ね、ここ5年くらいで得意先も増えてきました。一方で得意先ごとのご要望に対応するために、今まで扱ったことが無い材料や経験のない加工が必要になり、新たな仕入先との取引も増えました。その結果、管理部の受発注業務や各種帳票作成業務の負荷が膨らみました。

 

課題2:定型的な事務作業の煩雑さを解消したい

 受発注業務ではその取引相手ごとに少しずつ作業手順が異なる点があります。得意先・仕入先が増えたことで、その分の小さな積み重ねが業務を煩雑にしていました。業務の一部はExcelのマクロを使用して自動化を進めていましたが、それでも入力ミスやマクロ実行ミスが発生するリスクがありました。

課題3:工場ごとに異なる作業手順を見直したい

 弊社の南工場と中央工場では、同じ作業をそれぞれ異なる手順で行っていました。同じ作業は同じ手順で実施するよう弊社社長から作業手順統一化の指示を受けていました。

総務部総務課長 永江 憲映 様

「3つの課題」を解決するRPAソフト「Autoジョブ名人」

■「Autoジョブ名人」 とは?

 「高い安定稼働性」「充実した機能と作りやすいシナリオ作成」「豊富な実行機能」でパソコン操作を自動化する国産RPAソリューションです。取引先やWebサイト、社内システムとの連携など、様々な業務の自動化を実現します。

■導入の3つの決め手

決め手1: 県の補助事業の活用による業務効率化への取り組み ~RPAへの着目~

 今回のRPA導入の直接的なきっかけは、令和2年6月に石川県の「AI・IoT・RPAを活用した業務効率化・省力化支援事業」という補助事業に応募を決めたことでした。当時、RPAという言葉を「少し聞いたことがある」程度でしたが、弊社でも何かできないか、という思いがあり、県などが開催するオンラインセミナーに参加し情報を収集しました。

決め手2: 生産管理システムとの親和性 ~製品選定~

 弊社では生産管理システム「TPiCS」を利用しており、TPiCSを起点とした管理業務に課題を抱えていたため、そこがRPAでの業務効率化対象業務と考えていました。いくつかRPAソフトについて調べましたが、Autoジョブ名人はTPiCSとの連動実績があり、親和性が高いという事でした。RPAでの自動化においては、システム画面のボタン等の位置を正しく認識できることがポイントですが、Autoジョブ名人はプログラム内部の情報を自動で取得して任意の位置をダイレクトに指定するので、動作の安定性が高いのです。プログラムの知識はいりません。Autoジョブ名人の操作感は、Excel入力に似ていて、直感的に利用できるので扱いやすいと感じました。

決め手3.地場ベンダーとのタイアップ ~業者選定~

 HCSさんの支援でTPiCSを導入し、以降10年近く運用面でサポートを受けています。アドオンシステムも開発してもらっていますが、TPiCSを起点とした管理業務にRPAを適用するには、HCSさんのサポートが不可欠になると考えました。Autoジョブ名人を紹介してくださったのもHCSさんでした。

「3つの課題」を解決するためにどう活用しているか?活用シーンのご紹介

 3つの課題を解決するため、コマツキカイ株式会社様では、RPAを下記のように活用されています。

1.自動化対象作業の選定

 得意先様の増加により、TPiCSへ入力する受注データも増加したため、最初は受注入力作業に着目しました。受注データの受け取り形式はExcel、テキスト、CSV、紙など得意先様によって異なりました。受注データをTPiCS取り込み用共通フォーマットに変換できればTPiCSへの受注入力自動化が可能と考えましたが、その時点では弊社にとって難易度の高い取り組みでしたので、対応を見送りました。
 管理部に相談し、次に着目したのが未納リスト作成作業です。未納リストとは、出荷実績データを基に、受注に対して今日時点で出荷が遅れている製品の品名・品番・金額を得意先様ごとにリスト化したものです。南/中央の各工場に管理課があり、各課2名のスタッフがExcelのリストを作成して双方でチェックした後、社内の管理職にメールで送付していました。まずはこの部分を自動化することに決めました。

 RPAに実行させる一連の処理の流れをシナリオと言います。
 RPAでシナリオを作成する前に、対象作業の手順を整理しました。

管理課と総務部の打合せ

<未納リスト作成作業手順>

① TPiCSの画面を操作して、出荷実績CSVを所定のフォルダにダウンロードする。
② CSVをExcelで加工して所定のリスト形式に体裁を整える。
③ 未納リストにコメントを手入力する。
④ 未納リストを手動でメール送付する。

 そして、自動化のプランを立て、シナリオを作成しました。

②のExcel操作は、RPAで自動化するよりもExcelマクロを使用したほうが処理効率が良いことがわかったので、マクロで処理を作成しました。そしてRPAで①と②のマクロを実行するシナリオを作成し、自動化に成功しました。
③は人の判断が必要なので、自動化対象外としました。
④はマクロを作成し、③の後にマクロを実行することで自動化できました。

2.シナリオ作成の専任化

 今回の取り組み開始直前に、ITに強いスタッフが別部署から総務部に転属してきたため、RPA担当に任命しました。Autoジョブ名人のメーカーに問い合わせたり、インターネットで調べたり試行錯誤しながら最初のシナリオを作成しました。最初に苦労したおかげで、その他の作業への応用は思いのほかスムーズに進み、今では7つのシナリオが稼働しています。今はそのRPA担当がほぼ専任でシナリオを作成しています。それは、シナリオの作成方法に統一性を持たせ、メンテナンスしやすくするためでした。しかしその一方で、シナリオ作成が属人化しています。いずれはこれを解消したく、シナリオ作成時の共通ルールを設けた上で、各工場にシナリオ管理者を置きたいと考えています。また、シナリオ実行時に発生したエラーとその対策をインシデント管理簿に記録し、社内でノウハウを共有したいと思っています。

RPAシナリオ作成画面

3.他工場へのシナリオ横展開

 最初に自動化した未納リスト作成作業は、南工場でも中央工場でも行います。他にも両工場での共通作業があるのですが、進め方が異なっていました。そこで作業自動化の前に作業手順を見直し、統一化を検討しました。シナリオは統一化した作業手順を基に作成し、最初は南工場、次は中央工場の順に展開しています。作業手順が同じであれば、工場別にシナリオを作成する必要がありません。

導入効果・メリット

総務部総務課 松川 昭雄 様

効果1: 月間176分の作業を22分に短縮

 未納リスト作成作業は1日1回実施します。RPA未使用時は、その作業に8分かかっていましたが、RPAで作業時間が1分になりました。1回あたり7分短縮することができました。1ヶ月換算なら稼働日数が22日とすると、176分/月が22分/月となり、154分短縮した計算になります。これが南工場と中央工場に同じ作業があるので、効果はさらに2倍です。

効果2:ヒューマンエラーの抑止

 得意先や仕入先が増えたことで情報処理量も増え、作業も煩雑になっていたので、人手の作業によるオペレーションミスが発生するリスクがありました。「ミスしないように」とスタッフが神経を使ってしまう精神衛生上望ましくない状況でしたが、RPAに作業の一部を実施させることで、アウトプットの信頼性が高まり、スタッフの心身の負担も軽減されました。

効果3:工場間の作業手順の統一化

 作業自動化の前に工場間の作業手順統一化という目標があったのですが、RPA導入をきっかけに、工場間で共通して実施している作業に着目してシナリオ化を行ったため、その過程で作業手順統一化も同時に進めることが出来ました。

同じ課題を持つ皆様へひと言

 定型的な作業やスタッフの判断・選択を伴わない作業は、RPAによる自動化の効果が大きいです。スタッフの判断・選択を伴う作業だとしても、未納リスト作成のように手順ごとにシナリオを分割して実行すると割り切れば、作業自動化のレパートリーは広がります。

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